雨で1時間30分遅れも何の!ヤクルト 連覇王手、村上56号お預けも24打席ぶり長打で復調の兆し

[ 2022年9月25日 05:25 ]

セ・リーグ   ヤクルト8ー1DeNA ( 2022年9月24日    神宮 )

<ヤ・D>5回、二塁打を放つ村上(撮影・会津 智海)
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 ヤクルトは24日、DeNA戦に8―1で大勝し、リーグ連覇に王手をかけた。マジックを2減らして「2」とし、25日の同戦に勝てば優勝が決まる。1964年の王貞治(巨人)を超える、日本選手最多56号本塁打に王手をかけている村上宗隆内野手(22)は4打数1安打。これで55号を打ってから8試合36打席ノーアーチとなったが、24打席ぶりの長打となる右中間二塁打を放つなど、復調の兆しをみせた。

 鋭い打球が右中間を真っ二つに割った。濡れた人工芝の上を球足の速い打球が転がっていく。村上が復調を予感させる二塁打。「しっかり自分の打席、自分のスイングをすることを意識している」と語る主砲がこの回2得点の追加点につなげ、ついにリーグ連覇に王手をかけた。

 4―0の5回1死一塁だった。左腕・田中健の外角直球を振り抜いた。3試合14打席ぶりの安打。長打に限れば17日の中日戦以来、6試合24打席ぶりとなった。高津監督は「きっかけになるかどうか分からないけれど“チームが勝てたことが一番”と思っていると思う。出ないよりはもちろん出た方がいい」と常にフォア・ザ・チームの精神の4番の胸の内を代弁した。3回1死二、三塁ではリーグ断トツの今季24個目の申告敬遠。95年オマリーを抜き、故意四球の球団記録を更新した。

 13日の巨人戦で王貞治の日本選手最多55本に並んでから、8試合36打席ノーアーチとなった。ただ、8回の第5打席は惜しくも一塁手の正面を突くゴロの鋭い当たり。角度はつかなかったが打球の勢い、鋭さは戻った。ファンが待つ56号が近いことを予感させた。

 降り続けた雨の影響で、試合開始は1時間30分も遅れた。午後7時半のプレーボールだったが、歴史的瞬間を待ち望む2万9437人でスタンドは埋まった。外野フェンス際には大量の水たまり。数十人の球団スタッフらがバケツなどで必死に水をかき出し、何とか試合開催にこぎつけた。高津監督は「長く神宮でプレーするけれど、あんなに水がたまるのは初めて。本当に作業してくれた皆さんには感謝。大変だったけれど、勝つ試合が見せられて、いい一日だった」と振り返った。

 連敗を2で止め、優勝マジックは2減って「2」。25日のDeNA戦に勝てば、92、93年以来29年ぶりのリーグ連覇が決まる。「明日勝ちたい。強く勝ちたいと心に思ってます」と指揮官。日本選手新となる56号で、高津監督を胴上げ。そんな最高のハッピーエンドも、今季、数々の記録を塗り替えてきた背番号55なら、やってもおかしくない。(青森 正宣)

 《97年超え最速Vなるか》ヤクルトのマジックが2となり、25日のDeNA戦(神宮)に勝てば2年連続9度目のリーグ優勝が決まる。9月25日に優勝を決めると、ヤクルトでは97年の9月28日を抜く最速Vになる。なお、過去8度のV決定球場を見ると、78、93、95、97、15年がホームの神宮。昨季のVは横浜で行われた10月26日のDeNA戦後に対象チームの勝敗で決まっており、高津監督にとっては初の本拠地胴上げとなるがどうか。

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