越谷南・金谷ツインズが躍動 公式戦初完封の兄・昊汰を弟・春汰が中堅で支えた

[ 2022年7月10日 05:30 ]

第104回全国高校野球選手権埼玉大会・1回戦   越谷南5-0春日部 ( 2022年7月9日    レジスタ大宮 )

<越谷南・春日部>5安打完封勝利を挙げた金谷昊
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 背中には、いつも中堅を守る双子の弟がいる。越谷南の金谷昊汰(3年)はマウンドで勇気をもらった。春汰(3年)との絆がもたらした公式戦初完封。6回1死まで無安打の快投に、昊汰は「気づかなかった。打たれないのはいいこと」と満面の笑みを浮かべた。

 昨夏まで二塁手だった。旧チームでの夏大会前、永山大夢(ひろむ)監督の推薦で打撃投手に挑戦。投げっぷりと制球の良さを買われ、新チームの始動とともに投手への転向を打診された。「毎日必ずやる練習で雑になってもおかしくない」(永山監督)というキャッチボールを、入学当初から一生懸命に取り組む姿も評価された。

 キャッチボール相手は、入学時からずっと弟だった。常に意識していることは「胸に投げる」こと。少しでもずれると弟から「はい、ダメ~」と注意され、気を引き締める。兄は恥じらいながらも「仲は凄い良い」と言う。日焼けした顔はうり二つ。髪形まで同じツーブロックだ。打順も弟が8番で、兄が9番。ともに無安打もそろって死球で出塁した。

 弟とのキャッチボールで培ってきた制球力を生かし、凡打の山を築く。1メートル61と小柄ながら切れのある直球にスライダーなど変化球を織り交ぜ、春日部を翻弄(ほんろう)。弟が守る中堅への飛球は初アウトを含め8つもあった。まさに以心伝心。107球を投げ、散発5安打に封じた。

 「リードのおかげ」と捕手の山崎隼(3年)に感謝したエース右腕。次戦も中堅を守る弟に支えられ、マウンドを守る。(小檜山 幸大)

 ◇金谷 昊汰(かなや・こうた)2005年(平17)2月17日生まれ、埼玉県吉川市出身の17歳。吉川市立中央中では、弟の春汰とともに軟式野球部に所属。越谷南では2年秋からベンチ入りした。球種は直球、スライダー、カーブ、チェンジアップ。50メートル走は6秒7、遠投は80メートル。1メートル61、58キロ。右投げ右打ち。

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