都島工に“勝利の女神”現る 女子マネジャーの試合前ノックで5年ぶり白星

[ 2022年7月10日 19:51 ]

第104回全国高校野球選手権大阪大会・1回戦   都島工10―3吹田 ( 2022年7月10日    大阪シティ信用金庫スタジアム )

<都島工・吹田>ノックバットを構える都島工・馬場咲マネジャー
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 “勝利の女神”のノックで、都島工が選手権大阪大会としては17年以来、5年ぶりの白星を挙げた。

 試合前のシートノックでバットを握ったのは、馬場咲マネジャー(3年)だ。野球の経験はないが、硬式野球部の女子マネジャーになりたくて同校へ。入学後、3学年先輩の飯塚恵美さんが公式戦で同じノッカーを務めていた話を聞いて「かっこいいな」と感じ、自分もやりたいと思うようになった。

 仲間の後押しもあった。1年生だった2年前の馬場マネジャーの誕生日に、同級生の部員全員からノックバットをプレゼントされた。練習中は多忙なマネジャー業務に追われるため、自分の練習はできない。朝練をしたり、練習が終わって自宅に帰ってから近くの公園でトスを上げたり、素振りをしたりして精度を高めてきた。

 「初めは怖くて打てませんでした」と振り返るが、自主練とナインの練習での実践を重ね、最終学年の今夏。ついに監督から公式戦ノッカーを務めることを許された。ものの数分で終わったが、夢見心地だった。チームも7回コールドで快勝。「とてもうれしいですし、今日を迎えられたのはチームのみんなのおかげ。本当に感謝です」と満面の笑みを浮かべた。

 刻印が剥げ、色あせたバットが、馬場マネジャーの努力を物語る。両親からプレゼントされたケースに大切にしまいながら「宝物です」と相棒を慈しんだ。あと何度でも、打つ準備はできている。

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