掛川西 288日ぶり公式戦でコールド勝ち コロナ禍で春の大会辞退…“夏男”羽切が4安打固め打ち

[ 2022年7月10日 20:49 ]

第104回全国高校野球選手権静岡大会   掛川西8―1(7回コールド)御殿場南 ( 2022年7月10日    掛川ほか )

<御殿場南・掛川西>3回2死二塁で左前に決勝適時打を放つ計4安打2打点と気を吐いた掛川西の4番・羽切
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 1回戦残り21試合が行われた。今春西部地区予選を新型コロナウイルス感染のため辞退したノーシードの有力候補・掛川西が、昨秋以来288日ぶりとなった今季初の公式戦を見事白星で飾った。4番・羽切佑太朗二塁手(3年)が先制左前打含む4安打2打点。3番・狩俣藍生中堅手(3年)にも右越えに高校通算第37号2ランが飛び出すなど御殿場南を圧倒した。

 試合前のシートノック中から始まった伝統ある応援に背中を押された。期待に応えたのは、大石卓哉監督(42)から「夏に向けて調子を上げて勝負強いから」と命名された“夏男”。実際には12月11日の冬生まれながら1年秋の公式戦以降4番を打つ羽切が、バットで大事な初戦突破の扉をこじ開けた。

 「チームが重い感じがした。つなぐ気持ちで甘く来た変化球をうまく打てました。(夏男には)“自分がなるんだ”という気持ちでした」

 スクイズで取り返した直後の3回2死二塁で、しぶとく食らいついて左前に運んだ。決勝の勝ち越し打。6回にも右前にダメ押し打を落とし、公式戦では自身初の4安打固め打ちだ。どの打球も会心ではない。ベンチの仲間からも「いつもの羽切だぞ!!」とその泥臭さに盛り上がった。観戦した父で浜松城北工の政人監督(52)も「複数安打なんて見たことがない」と苦笑しつつうれしそう。

 第93回都市対抗野球大会(18日~東京ドーム)を控えるヤマハの左腕・沢山優介(18)らとともに、前チームから主力として昨春東海制覇を知る羽切ら主力3年生の存在がブランクを吹き飛ばした。公式戦は日大三島に逆転サヨナラ負けし、選抜への道を絶たれた昨年9月25日の秋季県大会準々決勝以来288日ぶり。春は見えないウイルスの影響も受けながら「不安はなかったです」と頼もしかった。ライバルたちが春季大会を戦っている間、東海大相模(神奈川)や日大三(東京)といった県外の強豪と練習試合で腕試し。A戦はわずか4敗で「他のチームより良い経験ができています」と実感。5回に今季15本目、高校通算第37号を放った狩俣とともに「秋春と悔しい思いをしてきて、どのチームよりも夏にかける思いは強いです」と声を大にした。

 激戦区にも「自信があります」と羽切はきっぱり。24年ぶりの聖地へ、古豪復活を期すナインにとって最高の船出だ。(小澤 秀人)

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2022年7月10日のニュース