広島得点力アップへ“小園5番構想” 東出コーチ「走者を還す能力高いし、三振しない」

[ 2022年2月24日 05:30 ]

<広島キャンプ>「ダッシュ行きます」と右手を上げる小園(撮影・奥 調)
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 広島の首脳陣は23日、小園海斗内野手(21)の「5番構想」を掲げた。雨天中止となった阪神との練習試合では、対外試合3戦連続となる「5番・遊撃」で先発予定だった。小園は自身の持ち味とする積極性を生かして、不慣れな打順も全うする意気込みを示した。

 小園は昨季終盤に2番に定着し、3番としても45試合で起用された。それが一転、今春は求められる役割が変わりつつある。

 雨天中止となった23日の阪神戦では、3試合連続となる5番で先発予定だった。新打順について東出野手総合コーチは「走者を還す能力が意外に高いし、三振しない。(一、三塁なら)内野ゴロで併殺崩れ(での得点)もある。シーズン中の5番起用もあるかな…というところ」と狙いを説明する。小園には、今季新たに得点源としての役割が与えられようとしているのだ。

 打線の構成を考えても小園が5番に座るメリットは大きい。昨季終盤に組んだ宇草、小園による「1、2番」は、ともに初球から仕掛ける積極性が持ち味ながら、2球で2死を奪われるなど裏目に出る場面もあった。小園5番構想は、そんな似たタイプである2人を離すことで、打線の活性化を図ることにつながる。加えて、朝山打撃コーチは「(得点圏で)初球から臆せずにいける。(コーチとしては)待って待って見逃し三振が一番困る。(振れば)何かを起こしてくれる」と期待。5番こそが、小園の積極性を最大限に生かせる打順と見ている。

 小園自身も首脳陣が求めている役割は理解している。「チャンスの場面では一つのストライクが命取りになるけど、僕は積極的にいくタイプ。チャンスでも他の打順と変わらず、やれることをやるだけなので(打順を)気にせず後ろにつなぐ意識でやっています」。昨季は得点圏の計107打席で9三振のみだった。5番起用こそ1試合のみと不慣れな打順ながら、積極性を貫くことで役割を全うしようとしている。

 5番で先発した19日の巨人戦で先制の決勝打を放つなど勝負強さは健在。「いい感覚で積極的に入れている。(鈴木)誠也さんが抜けて、打順はまだ決まっていないと思うけど、(打順を)考えすぎずにやっていきたい」。中軸候補の西川や坂倉、新外国人のマクブルームがそろって1軍に不在とはいえ、今春実戦での打順は3、5番のみ。小園が本格的に中軸を担う時が近づいている。(河合 洋介)

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