日本ハム・根本の“分岐点”となった中3冬 自ら選んだ道の先にあるネクストブレーク

[ 2022年2月24日 12:45 ]

日本ハム・根本
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 選手名鑑をめくりながら、ふと思う。北海道出身の選手が増えたなと。今季の日本ハムにも北海道出身者8人が在籍。高校や大学時代に取材していた選手も多く、各選手に思い入れがある。特に北海道白老町出身の根本悠楓投手(18)は、今季の活躍を願わずにはいられない。

 1軍公式戦未経験の高卒2年目左腕。11日の阪神戦で2回無失点3奪三振と好投すれば、19日のロッテ戦でも先発し3回無失点4奪三振。直球の平均は140キロ台前半ながら、コンパクトな腕の振りで打者を押し込み、初の開幕1軍へ猛アピールを続けている。

 彼が一躍有名となったのが、白老白翔中3年の夏。全国中学軟式野球大会決勝で完全試合を成し遂げ、同年のU―15アジア選手権では優勝し最優秀投手に輝いた。当然高校進学時には道内外の甲子園常連校からも誘われていたが、根本は「体験会の雰囲気が良かったので」と、甲子園出場経験のない地元の苫小牧中央を選んだ。

 当時、強豪校の関係者からは「根本は厳しい環境が嫌なだけ」と、いわれのない言葉も受けた。それでも1年夏からベンチ入りすると、ケガもなく順調に成長。コロナ禍で3年時は春夏ともに甲子園が消滅するなど、聖地出場の夢はかなわなかったが、自らの力でプロ入りの道を切り開いた。

 11日の阪神戦後に高校時代の話しを聞くと、根本は「自分で考えて練習をやっていた。プロに入ってからは、別に強制してすごい量の練習をやらされることはないので。そういう部分では(プロ入り後も)困らなかった」と振り返った。強打者たちをどう工夫して抑えるか。常に考えて戦ってきた高校があったからこそ、自主性で差がつくプロでも早くに頭角を現してきた。

 中学3年の冬、根本が選択した道は間違いではなかった。そう思わせる活躍を今季は期待したい。(記者コラム・清藤 駿太)

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2022年2月24日のニュース