松坂大輔氏が挙げる“常勝西武”復活への2つのポイント 引退後初めて古巣の実戦視察

[ 2022年2月24日 05:30 ]

練習試合   西武8ー0ソフトバンク ( 2022年2月23日    アイビー )

ソフトバンクー西武の練習試合を視察する松坂大輔氏
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 【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】昨年限りで現役を引退した松坂大輔氏(41=スポニチ本紙評論家)が23日、宮崎市内で行われたソフトバンク―西武の練習試合を視察。初めて引退後に古巣の実戦を見届け、最下位からの再浮上に必要不可欠な要素として(1)高橋、松本、今井の右投手3本柱の奮闘、(2)若手野手のさらなるアピール、の2点を挙げた。99年にプロ野球人生をスタートさせ、最も長く在籍した球団。常勝軍団の復活を強く願った。

 昨年、西武は所沢移転初年度以来、42年ぶりの最下位でした。自分もキャンプ視察でスポニチの選手名鑑を持ち歩いていますが、球団は順位通りに掲載されているので西武は最後のページ。やはり寂しいですね。ここからどう浮上するか。この日の試合でもポイントが垣間見えました。

 先発の松本投手は3回無安打無失点。打者の打ち取られ方を見ると直球で押し込めているようでした。ただ、彼の力量からするとまだまだ物足りない。昨年は3年目で初の2桁10勝。松本投手と開幕投手に決まった高橋投手、今井投手の右腕3人はエース級の活躍ができるポテンシャルを秘めています。加えてドラフト1位・隅田投手、同2位・佐藤投手の左腕2人が力を発揮すれば、西武は当たり前のように上位に来ると思っています。

 松本投手は試合で急に崩れるイニングがあり、終わってみればその失点で負けている。そんなイメージが強いです。この日も初回、失策で走者を出しながら併殺打。その流れで迎えた2回、先頭打者に3ボールとし、最後は四球を与えましたが、試合を通して初球、2球目とボールから入る場面が少し多いのかなと思いました。

 決して四球を出すことが悪いわけではありません。打者から逃げて四球になったのか、勝負して四球になったのか、後ろを守っている野手、見守っているベンチやファンにもそれは伝わります。そして、その出してしまった四球を引きずらないこと。試合をつくれる投手は切り替えが上手で修正能力も高いです。どのポイントを意識して修正するのか、コーチとも話し合い、その引き出しを増やしてほしいと思います。

 野手では38歳の中村選手が2安打。ベテランが元気なのはチームの安心材料ですが、試合前に話をした松井ヘッドコーチは「若手野手が物足りない。もっとアグレッシブな姿勢を見せてほしい」と言っていました。例えば4回2死満塁で2年目の山村選手が見逃し三振。松井ヘッドが言っていたのは、こうした場面での対応の仕方なのかもしれません。

 ベテランがチームを引っ張るのではなく、若手が失敗を恐れずプレーができるようサポートする形がつくれたらベテランの負担も減らせるのだと思います。投手陣と野手陣。その課題を克服すれば、ライオンズ再浮上の道が見えてくるのではないでしょうか。(スポニチ本紙評論家)

 《在籍時2度リーグV、04年は日本一》西武は所沢移転後の79年以降に18度のリーグ優勝を数え、うち10度は日本一。松坂氏が最初に在籍した99~06年も02、04年のリーグVを筆頭に全てAクラス入りを果たし、04年には中日を倒して日本シリーズも制した。ところが、松坂氏がレッドソックスに移籍した07年以降はやや低迷。リーグVは3度にとどまり、08年を最後に日本一からも遠ざかっている。06年までわずか3度しかなかったBクラス転落も、07年以降に6度。昨季は所沢に移った79年以来42年ぶりとなるリーグ最下位の屈辱も味わった。

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2022年2月24日のニュース