オリックスに化学反応もたらした能見やジョーンズ 由伸、杉本は確実に進化 チームに一体感も取り戻した

[ 2021年10月30日 05:30 ]

山本(左)と話す能見投手兼任コーチ(撮影・坂田 高浩)

 【オリックス優勝緊急連載「不屈の四半世紀(下)」】中嶋オリックスに注がれた「外の血」は化学反応を促した。戦力補強で実績あるベテランを招いた福良淳一GMは「投打ともに若手主体。手本という部分も期待する」と言った。

 ジョーンズは杉本の覚醒に一役買った。来日1年目の昨季からメジャー282本塁打の打撃理論と、ゴールドグラブ4度受賞の守備意識などを伝え、頼れる4番に育て上げた。

 阪神から新加入した投手コーチ兼任の能見は、山本を進化させた。絶対エースの投球フォームを注視し、わずかな異変も見逃さず的確に助言。「僕が気にしすぎないよう、さりげない言い方で。能見さんの存在は僕にとって本当に大きい」と話す山本の球団新記録となる15連勝を支えた。

 古巣復帰した抑えの平野佳は救援陣をまとめ上げた。リリーフに失敗しても「僕は切り替えられない。だから我慢して打たれた後もやることをやる」と後輩に背中を見せ続けた。

 外部招へいした新コーチも機能した。梵打撃コーチは、低迷の要因だった打撃不振の改善に尽力。「四球を選ぶ、犠打、ケース打撃、チーム打撃を春季キャンプから丁寧にやってきた結果」。チーム打率・247はリーグトップタイ、133本塁打はパ最多だった。

 水本ヘッドコーチは勝利のマインドを植え付けた。広島2軍監督だった17年にウエスタン制覇、ファーム日本一を経験。「取り組み方と意識の持ちよう、試合への集中力。それだけで違う。試合で勝つことが成長につながる。カープの時も次につながったからね」

 さまざまなピースが相乗効果を生み出して、激動の歴史で失われた一体感を確かに取り戻した。=おわり=(湯澤 涼)

続きを表示

2021年10月30日のニュース