中日・立浪新監督「勝利への執念植え付けたい」V砲、大島以外はレギュラー白紙 根尾ら若手に奮起促す

[ 2021年10月30日 05:30 ]

中日の監督に就任が決まり、意気込む立浪新監督(撮影・椎名 航)
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 中日の新監督に正式決定した立浪和義氏(52)の就任会見が29日、名古屋市内のホテルで行われた。会見前に球団から正式要請を受け、受諾した立浪新監督は「勝利への執念を植え付けたい」と強い決意を表明。来季のレギュラーはビシエド、大島以外は競争であることを強調し、若手にはアピールを求めた。3年契約で推定年俸は1億円。背番号は後日発表される。また、1軍のコーチングスタッフも発表された。

 紺のスーツ、ドラゴンズカラーの青のネクタイ姿でひな壇に上った立浪新監督が何度も口にしたのは“勝利への執念”だった。

 「選手には勝ちに対する執念をしっかりと植え付ける。強いチームをつくる、勝つ野球をするために妥協はしません」

 09年に中日一筋22年の現役生活を終え、12年間待ってたどりついたスタートライン。誰よりチームを愛するミスタードラゴンズだからこそ、所信表明で一番に示したのは勝負にこだわる強い決意だった。「負けた時に本気で悔しがり反省して次に生かすのが大事」

 チームは11年以来10年間優勝がなく、Aクラスも2度だけ。今季も打線の低迷が響き5位に終わった。再建へ強固な投手陣を維持した上で、今季リーグワーストの得点、打率、本塁打数に終わった打線についても「必ず何とかします」と力強く約束した。

 レギュラーの選定も妥協しない。ビシエドと大島以外については「競争になると思ってやってもらう」と白紙を強調。今季、5本塁打と不振だった高橋周には「20本は期待したい。そういう打ち方にこの秋から取り組んでやったらどうか」とノルマを設定した。

 根尾、石川昂ら若手には首脳陣へのアピールを求めた。「我々の判断で我慢して使えばいけると納得させないと使えない。若いから、期待されているから、力があるからでなく、まずその形をしっかりつくってほしい」

 新監督は11月4日にナゴヤ球場で始まる秋季練習から指揮を執る。現役時代に4度優勝を経験した勝負の鬼が信念を貫き、戦う集団を作り上げる。(中澤 智晴)

 《期待寄せるオーナー》新監督とともに登壇した大島宇一郎オーナーは「勝利に対する気合、集中力、執念がすごく感じられる方。勝負事なのでそこの力を伸ばしてほしい」と期待を寄せた。吉川克也球団社長も「ドラゴンズのことを一番よく知り、理解されている方。来年とはいかないかもしれないが、近い将来優勝してくれると思っている」と話した。

 ◇立浪 和義(たつなみ・かずよし)1969年(昭44)8月19日生まれ、大阪府出身の52歳。PL学園では87年に甲子園春夏連覇。同年ドラフト1位で中日入り。1年目の88年に新人王。03年7月5日の巨人戦で通算2000安打達成。08年から打撃コーチ兼任で09年に引退。1軍通算2586試合、打率・285、171本塁打、1037打点、135盗塁。487二塁打はプロ野球記録。19年にプレーヤー部門で野球殿堂入り。右投げ左打ち。

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