パイレーツ・筒香の打撃に中畑清氏が太鼓判「始動が早くなりグリップとボールの距離がしっかり取れている」

[ 2021年8月31日 02:30 ]

ナ・リーグ   パイレーツ4ー3カージナルス ( 2021年8月29日    ピッツバーグ )

<パイレーツ・カージナルス>逆転サヨナラ弾を放ちナインから手荒い祝福を受ける筒香(AP)
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 パイレーツの筒香嘉智外野手(29)が29日(日本時間30日)、カージナルス戦に「6番・右翼」で出場し、1―3の9回に右翼場外に逆転サヨナラの5号3ランを放った。日本選手の逆転サヨナラ弾は09年のイチロー以来、12年ぶり2本目。今季3球団目となるパ軍移籍後は13試合で5本塁打、11打点となった。DeNA時代の監督で本紙評論家の中畑清氏が好調の要因と今後の課題を指摘した。

 完璧だね。逆転サヨナラという最高の舞台で劇的な一発。今の筒香は始動が早くなってグリップとボールの距離がしっかり取れている。この距離感が大事なんだ。トップの形をつくってボールを呼び込む間があるから、いいタイミングで強く振り抜ける。だから場外まで飛び出るような飛距離が生まれるんだ。

 パイレーツ入りが決まったときに電話をくれてね。声が凄く明るかった。最後のチャンスをもらった喜びだけじゃなく、手応えがあったんだね。ドジャースの3Aで結果を出し、技術的にこれならいけるという自信めいたものをつかんでいたんだと思う。

 新天地でいきなりの爆発。ユニホームがよく似合ってるし、違和感なくチームに溶け込んでいる。チームの相性もあるのかな。強いレイズやド軍じゃ力が出せなかったのに、最下位にあえぐパ軍で本領発揮。DeNAにいたときがそうだったように、弱いチームを引き上げていくのが性に合ってるのかもね。原点回帰でのびのびやってる気がする。

 当時のDeNA監督だった者として上から目線で言わせてもらうと、まだ100%の満足はしていない。この日打ったのは142キロのスライダーかカットボール。これまで5本のうち3号は153キロだったけど、あとの4本はハーフスピードの球を捉えたものだ。

 日本時代から筒香の一貫したテーマは速いボールへの対応。理想的には引っ張ってもらいたいけど、方向はどこでもいい。150キロを超える速い球をコンパクトに振り切ってスタンドへ。そんな打球がコンスタントに見られるようになったら怖いものなしだ。そのときは「ツ・ツ・ギョー」じゃなく、真の「GO」サインを出させていただきます。(本紙評論家)

 ▽DeNA時代の中畑氏と筒香 中畑氏は監督就任1年目の12年の春季キャンプで筒香に「1日1000スイング指令」。14年は内野から外野にコンバートし、主に5番で打率.300、22本塁打、77打点と飛躍させた。15年には「ちょっと早いかな、と思ったけど大きな肩書を背負わせるのも大事」と23歳ながら主将に任命。責任感が増した筒香は同年から4番に定着した。

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