金本知憲氏 不振の阪神・佐藤輝へ提言 俺なら「弱点」の内角高めをあえて狙う

[ 2021年8月31日 07:00 ]

阪神・佐藤輝に対して、内角高めを攻める広島バッテリー
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 【金本知憲 虎への金言】阪神は、31日の中日戦で48日ぶりに甲子園球場に戻ってくる。首位だった前回7月14日から約1カ月半が過ぎ、3位転落での帰還。本拠地での再浮上が期待される。自己ワースト25打席連続無安打中の佐藤輝明内野手(22)は目覚めるのか。前監督で通算476本塁打の金本知憲氏は本紙コラム「虎への金言」(随時掲載)で“自分なら”と仮定した上で弱点の内角高めを「狙って打つ」と道を示した。

 投打のバランスが少し崩れ、5カ月近く守ってきた1位から落ちた。シーズンは長く、こういう時期は必ずある。逆に言えば、序盤がうまくいき過ぎた。ちょうどマルテがいない期間とも重なり、ロハスが振れてきたとはいえ、最近の打線はサンズ頼みだった。

 佐藤輝に対しては、どのチームも内角高めを速球系で徹底して突いている。前半戦から攻め方が大きく変わったわけではない。これまでは内角を攻められても、投げ損なったところを打ってきた。いまは疲れからか、その球も打ち損じている。29日の広島戦では先発を外れた。リフレッシュの意味合いもあったと思う。今後どうするか。間近で見ている首脳陣が一番よく分かっているので、起用に関して外から言えることはない。

 弱点を厳しく攻められるのは、プロの世界では当然のこと。どう対処するか。自分なら…と考えると、答えは明快で、一つしかない。狙って打つことだ。まずは一度でいい。内角高めの一点に狙い球を絞って仕留めること。狙っていることが捕手に伝われば、いくら弱点といっても、続けて要求しにくい。相手を考えさせ、内角に投げておけば大丈夫と思わせないことだ。そこから、また次の勝負ができる。

 4番を外れた大山は好機での凡退がクローズアップされる。チャンスで結果を出せるかどうか。要因はメンタルしかないと現役の頃は考えていた。“やるぞ”と意気込むのか、“無心”を心がけるのか。気持ちの持ちようは人それぞれ。大山もチャンスでしっかり打っていた時期がある。そのときの精神状態は、どうだったのか。思い返してほしい。

 100試合近くまで進み、順位のことは考えるな…と言われても、実際にやっている選手は気になるものだ。巨人、そして、ヤクルトを加えた三つどもえの争い。巨人は優勝を経験している選手が多くいることが強みになると思う。対照的に、いまの阪神の現役選手には優勝経験者がいない。どう乗り越えるのか。注目している。

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