広澤克実氏 阪神・大山は“ありえない”第1打席の完璧さ それだけに2打席目以降もったいない

[ 2020年10月14日 06:15 ]

セ・リーグ   阪神2-4中日 ( 2020年10月13日    ナゴヤドーム )

<中・神(19)> 1回2死三塁、大山は左越えに26号2ランを放つ(撮影・大森 寛明)
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 【広澤克実 視点】大山が第1打席に放った本塁打は、完璧と言えた。彼がここまで26本塁打を打てている要因が、あの打席に凝縮されていた。その日の初打席の初球で、あれだけ軌道と球速にジャストタイミングでステップできるなんて正直、ありえない。あれがライナーではいけないが、ボールへの入射角も完璧だった。

 それだけに2打席目以降の3打席がもったいなく感じた。当然、狙い球を外されることもあるが、初打席の初球で内角直球を完璧に打たれた上で、次の打席以降も若いカウントで内角直球を投げてくるバッテリーというのは、ほぼいない。それでも大山は、残り3打席も若いカウントでは内角直球を狙っていた。本人に「みんな、あなたのことを怖がっているんだよ」と伝えたいくらいだった。

 ただ、これは伸びしろと言える。もっと相手の立場に立って配球を考える力が身につけば、もっと本塁打を打てるということだ。これが大山の才能をさらに飛躍させる条件だ。

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