森繁和氏 チェン・ウェイン 中日時代と持ち味変わらず、あとは投げる体力

[ 2020年10月14日 22:13 ]

パ・リーグ   ロッテ1―4楽天 ( 2020年10月14日    ZOZOマリン )

<ロ・楽>3回表2死から小深田を投ゴロに取ったチェン・ウェイン(撮影・長久保豊)
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 【森繁和 視点】懐かしい。投球スタイルは私がコーチを務めていた中日時代と同じだった。35歳。最速は144キロで、直球の勢いは当時に比べれば確かに落ちている。それでも和田の2度の右飛など差し込むシーンがあったのは、テークバックの小さい投球フォームがあればこそ。後ろが小さく、そこから鋭い腕の振りでピュッと投げる。打者は球速以上の速さを感じるはずで、持ち味は変わっていなかった。

 あとは投げる体力。試合後、チェン本人から電話があった。6回のマウンドに上がったのは、本人が志願をしたらしい。ただ、やはり疲れは出たという。シート打撃の登板だけで、ほぼぶっつけ本番。4回から少しずつスライダーが抜け出して、右打者の内角直球も逆球に。私は4回、もしくは5回で降りると思っていた。今後は登板ごとに状態を上げていきたい。中継ぎでの1、2イニングの起用も面白いだろう。ぜひCS、日本シリーズで投げるシーンを見たい。

 チェンが「兄」と慕っていた中日・吉見も遠征先の大阪で試合を見ていたという。彼が中日に入団したのは16年も前。寮に入れてあえて通訳を付けず、日本語学校に通わせたこともあった。そのおかげて日本語はぺらぺら。今も吉見らと連絡を取り合っている。技術的には中日時代にカーブを覚えさせた。より緩急差がついて投球の幅が広がった。

 その元気な姿をまた日本で見られることができるとは。優勝を争うチームで、もうひと花を咲かせてほしいと思う。(スポニチ本紙評論家)

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