阪神・ボーア　初タイムリー!「感覚は日に日に良くなっている」

オープン戦   阪神4―4巨人 （ 2020年3月8日    甲子園 ）

＜神・巨＞初回2死二塁、ボーアは左前に先制適時打を放つ。投手ディプラン（撮影・北條　貴史）
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　今季、猛虎の4番を担う新助っ人が初体験となる伝統の一戦で存在感を発揮した。「4番・一塁」で先発した阪神・ボーアがオープン戦初適時打を記録。7日の日本ハム戦での初安打に続き、また一歩、開幕へ前進した。

　「感覚は日に日に良くなっている感じがしている。ボールに対しバットも素直にいい感じで出ている。また一つ、シーズンに向けて、いい意味で近づけた、準備ができたという感じ。オープン戦とはいえ、走者を還すことができたのは、気分のいいことだね」

　初回2死二塁。2ボールから巨人先発の右腕・ディプランの145キロ速球を捉えライナーで左前にはじき返した。練習試合を含む実戦8試合、19打席目での自身初タイムリー。あいさつ代わりの強烈な先制打で、宿敵にパワーを誇示した。

　「（巨人が）去年、優勝したのはもちろん素晴らしいチームだった（からだ）と思う。だからと言って今年も優勝すると決まっているわけじゃない。去年のことは、いい意味で全く関係ないと思っている」

　奇策には奇策で応じる準備もある。ともに先頭で迎えた4、6回の打席は、三塁手が左翼線寄り、左翼手が左中間、中堅手が右中間、右翼手が右翼線寄りと外野に4人が入り、遊撃手が二塁ベース付近、二塁手が右翼定位置の手前を守る極端な守備シフトを敷かれた。その中で4回は中堅左への飛球で左飛に倒れたが、6回の3打席目には自らも動きを見せた。初球から2球続けてセーフティーバントの構えを見せ、ボールと判断し見送った。意図は明らかだ。
　「ストライクなら、していたね。あんなシフトを敷かれて、あそこ（三塁方向）に転がしたらヒットと相手がチャンスをくれている。無死無走者ですから、チームとして一番、大事なことは塁に出ることなので」

　豪快なパワーだけでなく、柔軟な思考も併せ持つB砲。大技小技を駆使し、チームを勝利に導くのが仕事だ。（惟任　貴信）