阪神・近本 3安打 宿敵相手に「新たな武器」も披露

[ 2020年3月9日 05:30 ]

オープン戦   阪神4―4巨人 ( 2020年3月8日    甲子園 )

<神・巨>初回無死一塁、近本は投前にセーフティーバントを決める(撮影・森沢裕)
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 阪神・近本が2番打者としての「新たな武器」を、宿敵相手にお披露目した。巨人戦で2試合ぶりに先発し初回無死一塁でセーフティーバントを試みた。ディプランの左前に絶妙な強さで転がし、焦りを誘って送球が高く浮いた間に一塁を駆け抜けるバント安打で好機を拡大し先制点を演出した。

 「(1日の)ソフトバンク戦(の初回無死一塁)ではタイミング的にファウルになってしまったので、今日は(転がす)コースや強さより、タイミングを意識していました」

 犠打でも強攻でもない近本ならではの選択肢で2月29日のソフトバンク戦の第3打席以来、11打席ぶりの安打を記録。昨季159安打したが、バント安打は意外にも7本だけで「ニュー近本」も披露した。これで勢いに乗ったのか、3回1死では高め149キロをライナーで右前打。5回2死三塁では初球の外角高め149キロに振り負けることなく中前に運び3点目を奪った。

 「最近いろいろ考えすぎていた部分があったので、原点に戻ってタイミングを合わせて積極的に振りにいこうと思っていました。今日に関してはできたかなと」

 スイングの軌道など細かい技術面に割いてきた神経を、少し原点に戻して実践した。昨年の球団別打率は・245で、セ・リーグ5球団ではワーストだった巨人を相手に、オープン戦初の3安打で開幕に向け、復調のきっかけをつかんだ。

 流動的な打線のなかで固まりつつある2番構想。この日に見せた“奇襲”と攻撃的な一面を使い分けることができれば、打線を活性化させると同時に、相手の悩みの種を増やすこともできる。
(巻木 周平)

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2020年3月9日のニュース