西武・山川“どすこい”連発 「開幕4番」決定 コロナもストレスも吹き飛ばす! 

[ 2020年3月9日 05:30 ]

オープン戦   西武3―3広島 ( 2020年3月8日    マツダ )

<広・西>8回、2打席連続の本塁打を放った山川は無人の観客席へ「どすこい!」ポーズを決める(撮影・奥 調)
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 西武・山川穂高内野手(28)が8日の広島戦で2打席連続アーチを放った。6回にオープン戦5試合、19打席目での初アーチをバックスクリーンへ。8回には左翼へ叩き込み、無観客のスタンドに向かって恒例の「どすこい!」ポーズを決めた。3年連続本塁打王を目指す主砲。辻発彦監督(61)も開幕での4番起用を明言した。

 無人のスタンドに向かって、山川は思い切り両手を突き上げた。6回、そして8回。「どすこい!」の声が静かな球場に響き渡る。この日、初日を迎えた大相撲春場所の力士に負けないくらい、しっかりと地面を踏んだ。「ちょっと恥ずかしいというか…。アホっぽかった。大声は出したけど、やっぱりお客さんがいてこそ」。まん延する新型コロナウイルスで閉塞する状況を吹き飛ばさんばかりの叫び、そして豪快なアーチ2発だった。

 「1本目はうれしかった。シーズンでも何回かしかできないスイング。完璧だった」

 6回2死。岡田の直球をバックスクリーンに叩き込む。オープン戦初アーチ。今季から取り組む新フォームが形となった。確実性アップのために、グリップを下げて勢いをつける昨季までの形は消え、コンパクトにバットを出す。狙うは中堅から右方向だ。「映像もチェックしたけど今までより動きを抑えられている」。8回2死では左翼へ運んだ。

 これを全国のファンに届けたかった。「テレビをつければ“コロナ、コロナ”だし、ファンの方もストレスがたまっていると思う。見ている人に楽しんでもらって(ストレスの)解消になれば」。主砲は熱い思いをバットに乗せた。

 昨季は8月以降、中村に4番の座を譲ったが、試合後、辻監督は山川の開幕4番について「そりゃそうでしょう。どう考えても」と明言。しかし本人は「開幕してからが4番争い。シーズンに入って打ち続けるのが大切だし、(今年は)外されないように」と口元をギュッと引き締めた。

 「開幕して、ファンの皆さんと一緒に“どすこい”ができれば」
 満員の観客の前で、腹の底から叫びたい。山川はその日が来るのを心待ちにしている。 (鈴木 勝巳)

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