阪神・近本 矢野監督「攻撃的2番構想」に応えた!今春初対外試合で逆転三塁打&走力発揮

[ 2020年2月9日 05:30 ]

中日との練習試合の5回、植田の左犠飛で静生還し、ナインとタッチをかわす近本(撮影・坂田 高浩) 
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 阪神は8日、今春最初の対外試合として北谷で中日との練習試合に臨み、「2番・中堅」で出場した近本光司外野手(25)が3―4の5回無死一、二塁から右中間へ逆転三塁打を放った。直後の浅い犠飛で生還するなど持ち前の走力も発揮。矢野燿大監督(51)が温める“攻撃的2番構想”にいきなり応えた。

 甘い直球を完璧に捉えた白球は北谷球場の右中間最深部まで伸びた。3―4の5回無死一、二塁。打った近本はスライディングすらせず、楽々と三塁に到達。攻撃的2番起用に逆転三塁打で応えた。

 「(結果が出て)気分的には楽。初球はバントの構えで見逃しましたが、それ以外はしっかり打つことが大事だと思っていたので」

 中盤で1点を追う展開。本番ならさまざまな作戦が考えられる場面だった。右腕・阿知羅の初球には自らの判断でバントの構え。ボールになったチェンジアップを見送り、2球目を打ち抜いた。

 「ちょっとしてみようかなと思った。ストライクだったら“ファウルになってもいい”というぐらいの気持ちだったんですが。変化球でボールになったので、次は真っすぐが来ると思い、しっかり振り抜けました」

 続く植田が打ち上げた定位置前への左飛では快足を飛ばして生還。昨季9本塁打したパンチ力と、自慢の俊足を遺憾なく発揮したイニングとなった。

 「2番・近本」は矢野監督が描く2020年打線の軸の一つだ。今春初実戦だった今回も他の打順は井上打撃コーチに一任した中、2番だけは直々に指名。計3打席の内容に納得の表情を浮かべた。

 「もちろんサインなんか出してない。あれ(バントの構え)を本当にやろうとしたのか、けん制なのか、分からないけど、内容があるよね。“粘ってやろかな”という部分と、1ボールになったところで打っていって、結果を出すという素晴らしい打席やった」

 高山が中前打した初回無死一塁でも強攻して二ゴロ。昨季の併殺打2本は両リーグ規定打席到達者では最も少なく、走者が入れ替われば二盗を狙うこともできる。

 矢野監督は「俊(高山)が出てああいう風にチカが残るというのも意味があると思う。ちょっと2番でやっていって、チカ自身の野球のレベルが上がっていくプラス、チームにとってもプラスがある」と継続起用を示唆。抜群の走力と思い切りのいい打撃を武器とする新たな2番打者が猛虎に生まれようとしている。(山添 晴治)

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