日本ハム・万波 “吉兆”のド派手フリー!初球空振りからの逆方向8発

[ 2020年2月3日 05:30 ]

フリー打撃後に、ロングティーを行う万波(撮影・高橋茂夫)
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 空振りに「未来の大砲」が見えた。日本ハムの沖縄・名護キャンプ2日目の2日、プロ2年目の万波中正外野手(19)が思わぬところから魅力を見せつけた。フリー打撃の初球に豪快な空振り。そこから意識を変え、全て右方向へ8本の柵越えを放った。その並外れた飛距離に、見守った栗山英樹監督(58)も大輪開花へ大きな期待を寄せた。

 豪快にバットが空を切った。青空の下、ケージの横で栗山監督が笑みをこぼしている。期待の2年目。1軍キャンプに抜てきされた万波がその空振りで無限の魅力を見せつけた。

 「楽しいけど、ふざけんな!って感じだよね」。栗山監督はそう言った。午後のフリー打撃。いきなり初球を空振りした。でも、そこから「空振りで今日はよろしくないと感じたので。右(方向という意識)から入るじゃないけど、それがいいと思った」と右方向を意識。18スイング目に右中間へ打ち込み、21スイング目からの3連発は中堅、右中間、右翼へ。67スイングで8発全てが中堅から右方向で、並外れた飛距離を見せつけた。

 栗山監督の視線に力んだわけではない。「普通に空振りした。シンプルに。バランスが良くなくて。したくなかったけど」。万波は苦笑いしたが、空振りからの右方向8発が「未来の大砲」を予感させる。空振りと言えば巨人・長嶋(現終身名誉監督)のプロデビュー戦4打席4三振。全て空振りの三振に、対戦相手の国鉄(現ヤクルト)・金田(故人)は「凄い打者になる」と思ったという。

 「空振りから何を気づいて、どう成長するか見てみたい」。そう期待を寄せる栗山監督は、大輪開花のポイントに小笠原ヘッド兼打撃コーチの存在を挙げた。現役時代は代名詞のフルスイングで通算2120安打、378本塁打。「強く振って率も残し、遠くへ飛ばす技術もあった。その両方を持つ打者だったから、彼の成長にいい影響を与える」。この日も万波は小笠原ヘッドの下、全体練習後に特打にロングティーとたっぷりバットを振り込み、日が暮れてから宿舎へ引き揚げた。

 「今はがむしゃらにやって、やってきたことは今のところ出せてます」。そんな万波について栗山監督はこう言った。「いつ1軍に上がるかではなく、いつスタメンをつかむか」。空振りの向こうに確かに「主砲の座」が見えている。(秋村 誠人)

 ≪小笠原ヘッドが導入「パワーバーストバッグ」で体幹強化≫全体練習後の個人練習では、小笠原ヘッドが導入した「パワーバーストバッグ」で万波も体幹を強化。ビニール製の円柱の筒に水を入れて使うトレーニング用具で、小笠原ヘッドは「基本的に体力の強化。しっかり土台をつくるのが目的で、土台がしっかりしてないとバットも振れないからね」と話す。抱きかかえて左右に振ることで水が動いて負荷がかかり、万波ら選手たちは顔をしかめながら取り組んでいた。

 ◆万波 中正(まんなみ・ちゅうせい)2000年(平12)4月7日生まれ、東京都出身の19歳。コンゴ出身の父を持ち、小2から野球を始める。横浜では1年秋から右翼のレギュラー。3年連続で夏の甲子園に出場し、3年時は3回戦で吉田輝擁する金足農(秋田)に敗れた。18年ドラフト4位で日本ハムに入団。昨年8月14日のロッテ戦でデビューし、計2試合で4打数無安打。1メートル90、90キロ。右投げ右打ち。

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