ロッテ・朗希「逆傾斜投球」練習 吉井コーチ期待“ダル、大谷ペース”

[ 2020年2月3日 05:30 ]

石垣島キャンプ ( 2020年2月2日 )

投内連係に汗を流す佐々木朗(撮影・長久保 豊)
Photo By スポニチ

 ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18=大船渡)が2日、キャンプ2日目で「逆傾斜投球」を行った。マウンドとは逆の上り傾斜を利用したネットスローで、体重移動を意識してからキャッチボールに取り組んだ。吉井理人投手コーチ(54)は同じ高卒でプロ入りしたダルビッシュ有投手(33=カブス)、大谷翔平投手(25=エンゼルス)のルーキーイヤーと同じぐらいの活躍も可能と期待を寄せた。 

 
 ついに佐々木朗が傾斜を使ってボールを投げた。といっても、ブルペンではない。室内練習場で台の上。しかも、低い位置から高いところに踏み出す「逆傾斜マウンド」からのネットスローだった。

 「逆傾斜は初めて。股関節を意識しながら投げました。すぐに実感できたわけではないが、続けていきたい」。一見変わった練習について、吉井投手コーチは「現役だったヤクルト時代に教わったドリル。元々は肩のリハビリ用に開発されたトレーニング」と説明。逆傾斜のため、手が頭から離れると投げられず、自然と手と肘も高く上がる。日本ハムコーチ時代の17年に有原に練習させ、昨季の最多勝につながった。

 第1クールでのブルペン入りが封印されている18歳はネットに向かって23球を投げた。腕は地面に叩きつけるように振った。「普通の傾斜の方が投げやすい」。そんな窮屈な状況こそが狙い。体重移動する際には、左股関節で受け止めるしかない。直後に行った40メートルのキャッチボールではミサイルのような軌道を描いた。平地に戻ったことで、体重が容易に乗るようになった。1メートル90という長身で、柔軟性と50メートル5秒9の瞬発力もある。最速163キロを誇るスーパールーキーだけにフォームが固まれば、成長スピードが一気に加速する可能性も高い。

 体づくりが中心となる1年目。年間の投球回数を「50イニング」に限定するプランもあるが、吉井投手コーチは「マー君みたいに180イニングは化け物だが、ダルビッシュ、大谷も70イニングぐらい。それくらいならいけるかもしれない」と上方修正を示唆した。1年目からローテーションで回り、11勝を挙げた楽天・田中(現ヤンキース)は別格だが、日本ハムで6月にデビューして5勝を挙げたダルビッシュ、二刀流で投手デビューは5月で3勝を挙げた大谷ならば、不可能ではないと期待を寄せた。

 佐々木朗は練習の合間に17年のWBCに出場したエース格の石川のブルペン投球も観察した。「どういう球を投げられれば、プロで活躍できるのか勉強したい」。勤勉さもある「令和の怪物」のデビュー登板が待ち遠しい。(横市 勇)

続きを表示

この記事のフォト

2020年2月3日のニュース