日本ハム・ドラ1河野 初ブルペンで「勝てる投手」のお墨付き

[ 2020年2月3日 05:30 ]

キャンプイン後、初めてブルペン投球を行った日本ハムのドラフト1位・河野
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 日本ハムのドラフト1位・河野竜生投手(21=JFE西日本)が2日、沖縄・国頭での2軍キャンプ開始後初めてブルペン投球を行い、社会人No・1左腕の実力を示した。全45球を投げ、直球やカーブ、カットボールなど6球種を披露。見守った2軍首脳陣や同僚から絶賛の声が相次ぎ、「勝てる投手」のお墨付きを得た。実戦初登板となる15日の紅白戦(国頭)に向けて調整のペースを上げていく。

 能力の高さを示すのは1球で十分だった。キャンプ初ブルペンの第一投は自慢の直球。投手板の一塁側を踏み、球の出どころが見えづらい、小さなテークバックから投げ込んだ球は、捕手・石川亮が右打者の内角低めに構えたミットにきれいに吸い込まれた。構えたミットを動かす必要がないほど完璧なクロスファイア。思わずネット裏から「おおぉ」と声が漏れるほどの一投だった。

 「新人合同自主トレで投球バランスが悪かったので、今日は修正して投げられた。石川亮さんから“いい高さで来ている”と言われた。そこは意識していたところだったので良かった」

 新人5投手が5レーンを埋め尽くした注目のブルペン。ネット裏には2軍首脳陣がずらりと並び、両サイドにはファンや報道陣のカメラが埋め尽くした。力んでもおかしくない場面。他の新人4投手はそれぞれ「力んだ」と口にしたが、河野は「別に命を取られるわけでもないので」と強心臓ぶりを発揮した。

 とにかく高さを間違えない。直球に限らず、得意のカーブ、カットボールなど、6つの全ての持ち球が精度高く低めに決まる。石川亮は「直球の投げミスが上に抜けるんじゃなく、下(に外れる)。45球投げて上に抜けたのは1球だけ」と明かした。

 ネット裏からも絶賛の声が相次いだ。荒木2軍監督兼投手コーチは「一番安定していた。直球が強いし、強い球を安定して投げられていた。プロのストライクゾーンにも対応できそう」と制球力、安定感を評価。加藤2軍投手コーチは「いろんな球を駆使して抑えられそう。勝てる要素を持っている。打者に対してもあれくらい投げられれば勝負になる。一軍の当落線上の投手はウカウカしていられないんじゃないの?」とチーム内の競争を激化させる存在として期待した。

 初実戦は2軍キャンプ地・国頭で行われる15日の1、2軍合同の紅白戦。「短いイニングになると思うけど、持っているもの全てを出せるようにしたい」。次は1軍の打者を抑え、再び衝撃を与える。(東尾 洋樹)

 ◆河野 竜生(かわの・りゅうせい)1998年(平10)5月30日生まれ、徳島県出身の21歳。鳴門では3年連続で夏の甲子園で先発し、3年夏は2勝を挙げて8強。17年に入社したJFE西日本では社会人野球2大大会で9試合に登板し5勝1敗。18年の日本選手権で2試合連続完封した。1メートル74、82キロ。左投げ左打ち。

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