新井貴浩氏 巨人・岡本へ“打率より本塁打を” 坂本は野球人の器大きくなった

[ 2020年2月3日 07:45 ]

巨人キャンプを訪れ、岡本(右)を激励した新井氏(撮影・森沢裕)
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 スポニチ本紙評論家・新井貴浩氏(43)がプロ野球の春季キャンプを巡る「新井さんが行く~侍戦士の春」は東京五輪を控える侍ジャパン候補を中心に近況に迫る。2日は宮崎の巨人キャンプを訪れた。

 岡本の特打を見せてもらった。体にバットが巻き付くようなスイングでスローボールを打っていた。遅い球は反発力がない分、遠くへ飛ばすのが難しい。バランスが良く、パワーロスも少ないから、力を入れなくても打球がしっかり飛んでいた。本人に聞いたら、やはり同じ感覚だった。いい取り組みだと思う。

 昨季は打率、本塁打、打点とも18年を下回った。決して後退とは思わない。23歳の若さで優勝チームの4番を務めたんだから。しかも、伝統があって注目度が高い巨人。自信にすればいい。4番とエースの重みは経験した者にしか分からない。順調に階段をのぼっているよね。

 昨季の打率・265をあまり気にしてほしくない。球界でも貴重な右の長距離砲。スケールの大きさが一番の魅力なんだから。打率を上げることよりも、本塁打を40本、50本、いや、60本へ伸ばすことを考えてほしい。そんな数字に挑戦できる打者は数少ない。もちろん、東京五輪も目標になっていると思う。

 日本代表で言えば、坂本は巨人のチームリーダーにとどまらず、侍ジャパンのリーダーになったね。昨季はいいところで打った時、感情を表に出す光景を何度も見た。いままでは、あまり出さない方だったから、本人の中でも変化があったのかな、と。いいなあ…と感じた。もともと素晴らしい選手だったところに、さらに野球人としての懐や器が大きくなったように映った。

 昨秋のプレミア12ではシーズンの疲労もあって思うような結果が出なかった。代打交代もあった。悔しいはずなのにベンチから応援する姿に胸を打たれた。東京五輪では、坂本が日の丸の旗の下でチームを一丸にまとめている姿が、いまから目に浮かぶ。

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2020年2月3日のニュース