栗山監督の予言「今度1軍に上がったら打てるよ」 後半戦での大爆発が楽しみな清宮

[ 2018年7月14日 10:40 ]

フレッシュオールスターの4回無死、藤嶋(左)から右越えソロを放つ清宮(撮影・木村 揚輔)
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 日本ハム・栗山監督は笑顔だった。「やっぱり、プロってすげえな」――。そう言って、もう一度笑った。

 話題は清宮のことだった。5月下旬、交流戦を前に2軍に落ちた。交流戦が始まれば、セ・リーグ主催試合では「DH」が使えない。しかも、故障者も戻ってくる。打席数を稼がせるには2軍で鍛え直すのは、当然の策だった。

 それでも指揮官は、清宮の成長に手応えをつかんでいた。春季キャンプを右手親指の故障でまともに過ごせず、オープン戦も腹膜炎を患い、まともに出場することができなかった。それなのに5月2日の楽天戦、1軍デビュー戦でプロ初安打を放つと、その後は幸運な安打も含めて、結果が出続けた。そこから、7試合連続安打。プロ野球のルーキーとしてはドラフト制以降、最長記録を更新。いろいろな制限を掛けた特別記録ながら、プロ野球の歴史に残る堂々とした記録だ。

 その7戦目、5月9日のオリックス戦ではディクソンからプロ初本塁打もかっ飛ばした。カットボールを完璧にとらえ、打った瞬間に分かる当たりだった。それまでは7試合連続安打といっても、すべて1安打ずつ。決して会心の打球ばかりではなかった。このルーキーは「何か持っているな」とは思っても、一線級の投手からみれべば、それほど怖さは感じなかったはずだ。

 ところが、一発ですべてが変わった。「あれで、みんなが本気になったな」。栗山監督は、本塁打を打ったことで他球団の1軍投手が「清宮封じ」に本気で来るようになったと考えたのだろう。実際に、その後の14試合でわずか5安打。1軍のローテーションに入るような投手たちが、高校を卒業したばかりの打者を警戒しながら投げたのだった。そうなると、清宮から快音も消える。だから、「やっぱり、プロってすげえな」という発言になったのだと思う。

 2軍ではリーグトップの15本塁打をマークしている。フレッシュオールスターでも、周囲から一発を期待される中で見事な本塁打を放った。イチロー、松井秀喜、青木宣親、フレッシュ球宴で活躍して、彼らも一流選手への道を駆け上がった。中田もフレッシュ球宴でMVPを獲得したが、これはプロ2年目だった。

 栗山監督はこうも言った。「今度、1軍に上がってきたときは打てるよ」。球宴前に限定昇格となった2試合は結果が出なかった。そりゃ、代打や途中出場で簡単に結果を出せるものではない。「代打の神様」と呼ばれた選手たちは、誰もがキャリアを積んだ選手たちばかりだ。球宴が終われば、後半戦がスタートする。万全の準備を整えて、1軍へ戻ってきたとき、清宮のバットが大爆発する。私もそう思っている。(記者コラム・横市 勇)

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2018年7月14日のニュース