阪神・中谷 9回混乱の結末呼ぶ“落球” 先制1号もヒヤリ…

[ 2018年5月28日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神9―1巨人 ( 2018年5月27日    甲子園 )

<神・巨>9回1死満塁、長野の左飛を中谷が落球するもレフトゴロ併殺となり試合終了(撮影・奥 調)
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 劇打の次に待望の放物線を描いた。2回無死二塁。阪神・中谷は野上の初球、141キロ直球を迷いないスイングで力強くはじき返した。

 「チャンスだったので、しっかり甘い球を捉えられてよかった」

 体がキレイに回転し、左翼席へ打ち込んだ先制2ランは昇格から15打席目で飛び出した今季1号だ。8年目で初のサヨナラ打から日をまたいで2打席連続の快打。「とりあえず結果を残せて、続けられたのはよかった」と大きくうなずいた。

 今季既に2勝を献上していた野上の出ばなをくじき、ベンチ前で出迎えた金本監督にも「先制パンチとしてはポポンと2点取れたんで、昨日の勢いをそのまま持ち込んでくれてね。いいホームランでした」と称えられた。

 昨季20本塁打など自己最高成績を残すと周囲の反応はがらりと変わった。街では「阪神の中谷さんですよね?」と声をかけられることも多くなった。「気づかれないよりは気づかれる方が僕はうれしいですけどね」。オフには道ばたで出くわした野球少年たちに発見されて尾行される“事件”も発生し、「しばらく、ずっと付いてきていましたね」と苦笑い。形はともあれ、背中に注がれる期待は力に変わる。

 背番号60の号砲から9得点で圧勝し、本拠地での巨人戦では4年ぶりの同一カード3連勝を決めた。甲子園球場での巨人からの9得点以上も同じ4年前の14年4月12日以来。昇格した22日から5連勝へ伸び、“中谷効果”が結果として表れた。

 最後は9回1死満塁から長野の飛球を一度はグラブに収めながら落球。混乱の結末を呼んだこともあり、帰り道では「頑張ります」と表情を引き締めた。逆襲はまだ始まったばかり。心の底から笑える日はすぐにやって来る。(遠藤 礼)

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