伊万里の代打の切り札“一球さん” 聖地に刻んだ「一球入魂」の一振り

[ 2018年3月26日 15:03 ]

<大阪桐蔭・伊万里>9回無死三塁、伊万里・前川が適時二塁打を放つ
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 伊万里の“一球さん”が、4球目に仕留めた。前川一球(2年)が1―14での9回無死三塁で代打出場。低め直球をコンパクトに救い上げ、左中間への適時二塁打を放った。

 「勝負どころで打てました!自分の仕事ができた。この経験は忘れない。レベルを上げて、また成長して戻ってきたいです」

 「一球入魂」「一球にかける」との思いから名付けられた伊万里の代打の切り札は普段はほんわかムードで癒やし系のナイスガイ。1メートル72、93キロのパワフル体型で、足は速くはないが、ここぞの破壊力、パワーはチーム内で評価されていた。「打球を遠くに飛ばすことだけは負けない」と自信を持っていた。

 一休みする間もなく、準備を続けていた。4、6、7回にベンチで素振りを続けていると最終回に出番が巡ってきた。「直球には強いし、よく飛ぶ。いつも打たないのに、よく二塁まで走ってくれた」と吉原彰宏監督は褒め称えた。

 伊万里中軟式野球部の出身で、父・博さんは、元伊万里高校の野球部監督。「父には“フルスイングしてこい”と言われていました。4球目にはなりましたが、思い切り振れました」。昨春大会覇者相手に、聖地に刻んだ「一球入魂」の一振り。伊万里の貴重な2点目で三塁側アルプスは最高潮の盛り上がりを見せていた。

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2018年3月26日のニュース