東邦・稲留主将 骨折から復活、途中出場も早すぎる終幕「この負けを反省し夏にいい形で…」

[ 2018年3月26日 18:42 ]

第90回選抜高校野球大会・2回戦   東邦3―5花巻東 ( 2018年3月26日    甲子園 )

<花巻東・東邦>初戦で敗れあいさつに向かう東邦ナイン
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 全国で単独最多となる5度目の優勝を狙った東邦の春は、不完全燃焼のまま終わった。花巻東の技巧派左腕・田中に対し、看板の強力打線が機能せず。稲留主将は「この負けを反省し、春の試合から生かして、夏にいい形で入りたい」と必死に前を向いた。

 0―3の5回守備から出場。主将として、捕手として、傾きかけた流れを引き戻すことに腐心した。2番手・西とともに5回を、この試合初めての3者凡退で終え、悪循環を食い止める。だが秋の公式戦16試合でともに出場校中トップの23本塁打、146打点を誇る打線が沈黙。120キロ台の直球にスライダー、チェンジアップを交えて徹底的にタイミングを外してくる左腕の術中にはまり、5安打3得点に終わった。稲留は3点を追う9回1死二、三塁、直球を捉えるも、強烈な打球は三塁手正面。打点こそ記録したが「つなぐ意識だったけど、チャンスを広げることができず申し訳ない。あそこで打っていれば…」と唇をかんだ。

 強い気持ちで大舞台に間に合わせてきた。年末の沖縄遠征で左足を骨折。1月中旬に手術を受け、以降はリハビリに励んだ。当初の診断は復帰まで3カ月とされ、大会への出場が危ぶまれたが、驚異的な回復で2月末には全体練習に合流することができた。

 「ケガをしたことで全体が見られるようになったかもしれません。ランニングでも普段は先頭を走るのですが、練習から外れていることで、後ろの下級生の様子まで見えるようになった」

 野球ができない期間を実りの時間に変えた。森田泰弘監督も「リードはいいものを持っている。主将としても、まとめる力がある」と信頼を置くまで成長を遂げた。

 頂点を狙った春の早すぎる終幕。「自分が先発で出て、チームを初回から引っ張っていきたかった」。頼れる主将は責任感を胸に、来たるべき夏に向けて、ひたむきに努力を続ける。

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2018年3月26日のニュース