巨人・中井「ヤバい」…球団1万号は「僕で良かったのかな」

[ 2017年9月27日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人3―0ヤクルト ( 2017年9月26日    東京D )

<巨・ヤ>球団通算1万号本塁打を放った巨人・中井は記念ボードを手に笑顔
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 巨人・中井大介内野手(27)が26日のヤクルト戦で、1―0の4回に球団通算1万号となる左中間5号ソロをマーク。チームとして通算1万325試合目で、12球団初の大台に到達した。試合は3―0で3連勝を飾り、3位・DeNAに1ゲーム差と接近。負けられない一戦で、通算10本塁打の伏兵が歴史に名前を刻んだ。

 照れながらベースを回った。「僕で良かったのかな」。プロ10年目の中井が放った通算10本目のアーチは、プロ野球史上初の球団1万号になった。

 「凄く光栄なことなんですけど、少し複雑というか…。手応えは良かったんですけど、ヤバいなと思って…。偉大な方々が積み上げた結果が1万号なので、恐縮しっ放し」

 2回に先制打を放ち、4回1死の第2打席では、追い込まれながら左腕・岩橋の内角直球を左中間席へ運んだ。1936年に史上初の3冠王で知られる中島治康が球団1号を放ってから81年、実に2万9658日が経過し、歴史に名を刻んだ。お立ち台では同い年の菅野から「僕も1万号を狙っていたんですけど」と振られ、また照れた。

 1万本のうち、わずか0・1%の10本だが、メモリアルには縁がある。2年目の09年に放ったプロ1号は球界全体で「平成生まれ初アーチ」=写真=だった。同年オフから憧れの高橋由伸の沖縄自主トレに同行。10年間、バットを寝かせたり、スタンスをオープン気味にしたり試行錯誤を続ける中井にとって「一本足のフォームを変えることなく、凄い成績を収め続けた。天才バッター」と尊敬する先輩が、今は監督になった。

 02年に7500号を放った高橋監督は「一番空気を変えられるのがホームラン。いい当たりだった」と褒めると、「紙面上はもう少し名前のある人の方が…」と笑わせた。

 今季は初の開幕スタメンに名を連ねたが、不振で6月に2軍落ち。8月に入り、代打で3球三振に倒れた翌日、高橋監督に大目玉を食らったこともあった。「今年やらないと来年はないという気持ちで臨んでいる。それは変わらない」。今季、偶数打席で使用する登場曲は、ミスターチルドレンの「Tomorrow never knows」。「奇数打席はノリノリの洋楽で、偶数はみんなが知っている懐メロ。その方がファンが楽しめると思って」。8試合ぶりの先発起用で、指揮官の期待に応えた。

 チームは3連勝で3位・DeNAに1ゲーム差。残り4試合でのCS出場へ、中井は「残り試合、全部勝つつもり」と照れずに叫んだ。 (川島 毅洋)

 ◆中井 大介(なかい・だいすけ)1989年(平元)11月27日、三重県生まれの27歳。宇治山田商3年夏の甲子園では、初戦で佐賀北と延長15回引き分け再試合の末に敗退。07年高校ドラフト3位で巨人入り。今季から背番号を36から13年まで5年間つけた61に変更した。1メートル83、88キロ。右投げ右打ち。

 ≪巨人1万号≫巨人は26日ヤクルト戦の4回に中井が5号ソロを放ち、チームの通算本塁打が1万号に到達した。プロ野球史上初。球団第1号は、中島治康が36年7月15日のタイガース戦で記録。なお、チームの本塁打数上位は、王貞治の868本を筆頭に、2位が長嶋茂雄の444本、3位が阿部慎之助の388本。また、巨人に次ぐのは西武の8784本。

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