ダル3年ぶり2桁、ド軍100勝到達 POへ「今の状態で十分」

[ 2017年9月27日 05:30 ]

ナ・リーグ   ドジャース9―3パドレス ( 2017年9月25日    ロサンゼルス )

<ドジャース・パドレス>7回1失点で今季10勝目を挙げたダルビッシュ
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 ドジャースのダルビッシュ有投手(31)は25日(日本時間26日)、パドレス戦に先発し、7回を2安打1失点、9奪三振で10勝目(12敗)を挙げた。2桁勝利は3年ぶり4度目で、15年の右肘手術後初めて。ド軍に移籍後、本拠地のドジャースタジアムでは初勝利となり、チームは1974年以来43年ぶりとなる100勝(57敗)に到達した。

 その1球に、ダルビッシュの進化が凝縮されていた。7回、左打者スパンジェンバーグへの初球。内角のボールゾーンからストライクゾーンへ入る「フロントドアツーシーム」で腰を引かせた。わずかに低めに外れた。

 「(ストライクに)取ってくれたらもちろんいいけど、ああやって向こうが腰を引いているだけで十分。あとはカットを真ん中に投げておけば」。ツーシームの残像が残る中でカットボールを投じ、遊直に仕留めた。ツーシームを沈むのではなく、真横に変化するように改良。最速97マイル(約156キロ)を計測し、逆に曲がるカットボール、スライダーとの横の揺さぶりで、5回1死まで完全に抑えた。7回を2安打1失点。右肘手術前の14年以来となる2桁の10勝には「9勝よりは見栄えはいいけど、気にしていない」と淡々と話したが、投球内容には「やりたいことができていたし、左打者が嫌がっている感じがした」と納得の表情だった。

 4回途中5失点KOされた2日の同じパ軍戦では、直球とスライダーが全体の75%を占めたのに対し、この日はカットボールとツーシームが57%と組み立てを変えた。「配球が違う投手か、というくらい変わっていたのでみんな嫌がっていたなと」。5回に死球で初めて走者を出したが、無四球投球に「一つ一つの球とコントロールに自信を持てている。打者をどう抑えるか逆算して考えられている」と振り返った。

 ド軍では43年ぶりのシーズン100勝に花を添える快投に、デーブ・ロバーツ監督も「こういう投手の姿を見るのは、とてもいいものだ」とご満悦だ。シーズンでもう1試合投げ、プレーオフに臨む。「今の状態で十分だと思う」。そう語る右腕の口ぶりに自信がみなぎっていた。(奥田秀樹通信員)

 ≪松坂に並ぶメジャー56勝≫ダルビッシュのメジャー通算56勝は野茂英雄、黒田博樹、岩隈(マリナーズ)に次ぎ、松坂(現ソフトバンク)に並ぶ日本投手4位タイ。4度目の2桁勝利は野茂(7度)、黒田(5度)に次ぐ3位タイ。田中(ヤンキース)は1年目から今季まで4年連続で2桁勝利を続けている。

 ≪74年以来7度目≫ドジャースの年間100勝は74年以来7度目。残り5戦全勝なら1953年に樹立した105勝の球団記録に並ぶ。昨季大台に達したのは103勝58敗のカブスのみで、ワールドシリーズも制した。メジャー記録は1906年のカブス、イチロー入団1年目の2001年のマリナーズがマークした116勝。

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