【山梨】山梨学院 丸太トレ実った5戦77点 極太5割打線

[ 2016年7月25日 05:30 ]

<東海大甲府・山梨学院>6回1死一塁、山梨学院・滝沢主将が左越え2ランを放ちガッツポーズ

第98回全国高校野球選手権山梨大会決勝 山梨学院12―5東海大甲府

(7月24日 山日YSB)
 右方向からの強い風に乗った。6回、3点追加後の1死一塁から山梨学院4番・滝沢が左翼席へダメ押しの2号2ラン。得点を2桁に乗せる。5年ぶりの甲子園へ向け、県内新記録の公式戦34連勝中だった横綱・東海大甲府を突き放した。

 準決勝で144球を投げた疲労の残る相手先発、最速146キロ右腕・菊地が2回で降板すると、吉田洸二監督は「勝ちを確信した」という。2番手・松葉から9安打で9得点。計16安打で12点を奪った。今大会は全5試合で2桁安打でチーム打率・490。77得点は山梨大会新記録となった。

 清峰(長崎)を率いて09年春のセンバツを制した吉田監督。13年4月に山梨学院監督に就任し、14年春には甲子園に出場した。しかし昨秋の県大会3回戦で、駿台甲府に3―4でサヨナラ負け。これが契機。「めっちゃ弱かった。本気で変わらないと」。指揮官は清峰時代の過酷な「丸太ダッシュ」を復活させた。

 重さ7キロの丸太を両手に抱え、260メートルを55秒以内。多い日で35本も走った。丸太なしで50秒と合わせた計70本は、清峰時代より多かった。さらにタイヤ押し100メートルを50本。指揮官は厳しい走り込みで「メンタルを鍛えたかった」。ブレない、強じんな心。大会1週間前まで続いた練習に耐え、打率5割をマークした滝沢も「見えないところで成長できた。誰もバテなかった」と話した。

 「チーム打率、5割いかなかったですか?」。そう話した吉田監督は「打力は全国レベル。夏は打ったもん勝ちです」と就任後初の夏の聖地での戦いを見据えた。 (鈴木 勝巳)

 ≪チーム打率.490≫山梨学院の山梨大会でのチーム打率.490(149打数73安打)は、00年以降の地方大会では全国3位の高さ。最高は05年青森山田の.497(165打数82安打)。

 ▽山梨学院 サッカーや駅伝は過去に全国制覇。1956年創立。

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