日立製作所 43年ぶり4強 創部100年目初V視野

[ 2016年7月25日 05:30 ]

<Honda鈴鹿・日立製作所>2回1死一塁、逆転2ランを放った田中政を迎える日立製作所ナイン

第87回都市対抗野球第10日準々決勝 日立製作所6―1Honda鈴鹿

(7月24日 東京ドーム)
 準々決勝3試合が行われ4強が出そろった。日立製作所(日立市)が6―1でHonda鈴鹿(鈴鹿市)を下して43年ぶりのベスト4進出。広島の田中広輔内野手(27)を兄に持つ、田中俊太内野手(22)が3安打4出塁1盗塁で攻守で貢献した。西濃運輸(大垣市)、東京ガス(東京都)もそれぞれ4強入りを決めた。

 9回2死走者なし。一、二塁間への打球に田中俊は横っ跳び。派手なダイビングで捕球して「合わせにいった。捕れると思った」。新人二塁手の好守で73年以来43年ぶりの4強入りを決めた。

 田中俊は1番に座って3安打1四球1盗塁。「緊張した」という初回に外角直球を中前打。3回は中前打で次打者の初球に盗塁も決めた。6回は左前打。「意識しなくてもいい時は逆方向に飛ぶ」と左打席から鋭い打球を連発。東海大相模でセンバツ優勝。東海大では大学選手権制覇。大舞台の経験は豊富だが「緊張しないと逆に危ない。気が引き締まる」という。

 今、日本で一番「神ってる」兄弟だ。兄の広輔=写真=は広島の不動の1番打者。兄が91年以来25年ぶりのリーグ優勝を目指せば、弟は創部100年目で初の都市対抗野球制覇を視野に入れる。前夜「頑張れ」と激励してくれた兄は12、13年にJR東日本で準優勝を経験。12年には新人賞に当たる若獅子賞も獲得している。日立製作所を選んだ理由を田中俊は「選んだのではなく拾われた」。プロのドラフト指名から漏れ、進路が不透明だった時に東海大OBの和久井勇人監督に誘われた。

 「何年ぶりといわれても前のことは分からない。でも勝つことなら新人でもできる。そこは遠慮しない」。ベスト4の壁を破ったとき、偉大な兄も達成できなかった社会人の頂点が見えてくる。 (君島 圭介)

続きを表示

この記事のフォト

2016年7月25日のニュース