マエケン、黒田ドジャース1年目に並んだ!偉業達成の日に9勝目

[ 2016年7月25日 05:30 ]

<カージナルス・ドジャース>3回無死一、三塁、試みたスクイズが内野安打となり自ら先制点を挙げた前田(AP) (右)(下)5回2/32失点で今季9勝目(UP1=共同)

ナ・リーグ ドジャース7―2カージナルス

(7月23日 セントルイス)
 黒田先輩に続いた。ドジャース・前田健太投手(28)が23日(日本時間24日)、カージナルス戦に先発し、ツーシームを有効に使い、5回2/3を5安打2失点で9勝目。日米通算200勝を達成した広島・黒田博樹投手(41)と同じ日付の登板に刺激を受け、先輩がドジャース1年目の08年にマークした勝ち星に並んだ。同じ道を歩む背番号18は、次回登板で2桁勝利を目指す。

 前田が新境地を開拓しながら、ゴロの山を築いていった。初回1死一塁を遊ゴロ併殺で切り抜け、2、4回はいずれも3者連続内野ゴロ。特に習得中のツーシームが、左打者に効果的だった。

 「久しぶりに良い感覚だった。最近ああいうゴロが取れていなかった」。よく沈むから、バットはボールの上っ面を叩く。3三振を除いて、5回までに奪った12アウト中、11個がゴロアウト。黒田をほうふつさせるスタイルで、気温35度、湿度73%の悪条件下でスイスイと試合をつくった。

 登板前に最高の刺激をもらった。大先輩・黒田が日米通算200勝を達成。「朝起きてニュースも、映像もきちんと見て。試合前にメールを送らせてもらいました。自分もやらないといけない。気持ちが入った」。6回につかまり、球数も92に達したため降板したが、その黒田の米1年目に並ぶ9勝目。「試合が終わって確認したら、(メールの)返事もくれていたので凄くうれしかった」と表情を崩した。

 その勝利数以上に、長いイニングを投げ抜きチームに貢献する姿が黒田の真骨頂だった。前田の武器はスライダーと直球だが、長いイニングを安定させるにはツーシームを駆使し、少ない球数で試合をつくる必要がある。「6回はツーシームを試そうと思ったらヒットを打たれた。右打者の外角が、まだもうひとつ」と一定の手応えと同時に課題も感じている。

 3回無死一、三塁の打席では試みたスクイズが内野安打となり、自ら先制点を挙げた。好走塁も見せ、この回4得点につなげた。21日のナショナルズ戦では代打出場も初経験。「心の中でちょっと打ちたいと思っていた」と笑い、こちらは前田にしかない魅力だ。

 20先発と110投球回突破で出来高は125万ドル(約1億3300万円)上乗せし、今季年俸は590万ドル(約6億2500万円)となった。「チームは勝ったがすっきりはしない。6回以上は必ず投げないと」。最後は厳しい表情で、より長い回を投げ抜くエースの投球を見据えた。(奥田 秀樹通信員)

 ≪黒田は2完封 マエケンは0≫前田が20試合目で、黒田が1年目に挙げた9勝に並んだ。現時点での防御率3・25、WHIP(1イニングの許走者数)1・11は黒田を上回る。115奪三振はこの時点で1差に迫った。ただ、黒田はクオリティースタート(QS=先発して6回以上投げ自責点3以下)を18度記録し、QS率58%なのに対し、前田は同50%。黒田は2完封をマークし、8回まで登板も2試合あるが、前田は完投もなく最長で7回止まり。長い回を投げ抜く点については黒田に分がある。

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