稲葉魂でハム逆王手!延長11回V打中島「打たなきゃ男じゃない」

[ 2014年10月20日 05:30 ]

<ソ・日>延長11回、中島卓の決勝適時打に大喜びの(左から)中田、稲葉、宮西ら日本ハムナイン

パ・リーグ クライマックスシリーズ 日本ハム6―4ソフトバンク

(10月19日 ヤフオクD)
 劇的勝利で逆王手!パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)は19日、第5戦が行われ、レギュラーシーズン3位の日本ハムがソフトバンクに延長11回の末、6―4で逆転勝ち。対戦成績を3勝3敗(ソフトバンクのアドバンテージ1勝を含む)とした。今季限りで引退する稲葉篤紀内野手(42)の代打安打から流れが変わり、11回に伏兵・中島卓也内野手(23)が決勝の2点適時打。20日の最終第6戦に勝てば、2年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。

 涙がこぼれるのを必死にこらえた。崖っ縁の第5戦。ベンチの栗山監督は目の前のシーンがにじんで、よく見えなかった。視線の先には、一塁ベース上でこん身のガッツポーズをする中島がいた。

 「人って、凄い。こんなに成長するんだ」。勝敗を超え、この熱闘でたくましく成長した23歳の若者の姿が、たまらなくうれしかった。延長12回引き分けなら敗退が決まる一戦。粘って、耐えて、そして奇跡が起こる。4―4の11回。そんな土壇場で光り輝く一打を放ったのが中島だった。

 マウンドにはソフトバンクの守護神・サファテがいた。2死満塁。148キロ、151キロ…。力で抑え込みにくる剛腕のボールにもひるまない。一握り短く持ったバットでコンパクトに。1ボール2ストライクから、149キロの内角直球を振り抜く。打球は糸を引くように右前へ弾み、2者が生還した。「一番いい球はストレートだから、タイミングを早く取って打った。あそこで打たなきゃ男じゃない。もう、めっちゃうれしい!」

 こんな中島の姿を誰が予想しただろう。プロ6年目。昨年まで、いや今季の前半戦まで「守備の人」だった。でも、栗山監督の見方は違う。就任してすぐ、初めて会った中島は言われた。「守備が良ければ、打撃は必ず良くなる」。守備の名手から2000安打した元ヤクルトの宮本慎也氏を、指揮官は重ね合わせていたのだ。開幕から二塁で起用された。打順も8月から2番に定着。もう一人の「栗山チルドレン」、西川との1、2番コンビでチームをけん引した。そして大舞台で、課題だった力のある球を物の見事に打ち返した。

 殊勲の一打の陰に、稲葉の存在があった。7回の同点機に三振した中島は延長11回、ベンチで「お願いします。力を貸してください」と言った。すると稲葉は7回に代打安打したバットを差し出してくれた。自分のバットをこすり合わせ、今季で引退する42歳の魂を宿らせて打った。

 「稲葉さんと(金子)誠さんが引退するので、何とかあしたにつなげたかった」。そんな中島を見て、稲葉は「卓(中島)のこれからの野球人生に生きる一打になった」と目を細めた。それこそ栗山監督が求めるものだ。「大事な場面で強い球の投手を打った。1カ月のキャンプよりも、あのシーンだけでうまくなる。うれしくて仕方がない」

 奇跡を起こし、選手たちが成長した。そしてついに逆王手。運命の第6戦、栗山監督はさらなる奇跡を信じている。

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