呉昇桓“18連投”も辞さず「全てを出し切るつもり」

[ 2014年10月20日 08:09 ]

阪神の呉昇桓

 戦いはまだ終わっていない。阪神の守護神・呉昇桓投手(32)が日本シリーズでもフル回転することを誓った。レギュラーシーズンから数えて11連投中の右腕は同シリーズ全戦登板での「18連投」も辞さない覚悟だ。

 「次が最後なので、後ろを考えず全てを出し切るつもりでいるよ」

 余韻に浸ることはしなかった。来るべき最後の決戦へ向け、言葉には決意がにじむ。母国・韓国では「呉昇桓シリーズ」と報道されているように、CSは背番号22の独壇場と化した。12日の広島とのファーストS第2戦では来日初となる1試合3イニングを投げ無失点。球団初のファイナルS進出に貢献した。巨人とのファイナルSでも全4試合に登板して3セーブをマークしMVPを獲得した。

 「11連投」の内容は通算15回2/3を投げてわずか2失点。シーズン最終盤にきて最高のパフォーマンスを披露する男に対し首脳陣の信頼も厚い。黒田ヘッドコーチは右腕の日本シリーズ全戦登板について「それぐらいの体力はある」と当然のごとくうなずく。

 ファイナルSは6連戦だったため、序盤戦での複数回投球は控えていた。だが、同シリーズは甲子園2試合→移動日→敵地3連戦→移動日→甲子園2試合の予定で日程的にも余裕が生まれる。初戦からのイニングまたぎに関しても黒田ヘッドは「移動日もあるし、ゲーム展開によっては考える」と勝負所と見れば、迷うことなく起用していく考えを示した。

 呉昇桓は「自分はいつも通りやっていくだけです」と淡々と話した。東京遠征中は、疲労回復に効果のある酸素カプセルを知人に用意してもらうなど、体のケアも万全。一切のスキを見せない「石仏」が、このまま猛虎を日本一まで導く。

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2014年10月20日のニュース