下柳氏アポなし訪問 エース能見にノルマ「最多勝獲れ」

[ 2014年1月21日 06:50 ]

能見(左)と話し込む下柳氏

 元阪神で、昨季の開幕直前3月に現役引退した下柳剛氏(45)が20日、沖縄・宜野座球場をアポ無しで訪問した。同地で自主トレ中の能見篤史投手(34)、関本賢太郎内野手(35)らにはまったく知らせておらず、びっくりするエース・能見には開幕投手はもちろん、最多勝獲得を厳命した。

 ランチタイム中の宜野座ドームに驚きの声が響いた。

 関本 あれ? シモさん、なんで??? どうしたんですか!

 能見 ええ~、ウソでしょう!

 小宮山と柴田もこの日の訪問を本当に知らされておらず、同様に先輩OBのサプライズ登場に目を丸くした。確か、引退したはず…。じゃあ、評論家の取材活動で? しかし下柳氏がとった次の行動に後輩たちはさらにびっくり仰天。突然にキャッチボールを開始したからだ。

 今回のアポ無し訪問の主な目的は、打撃投手を務めることだった。通算129勝をマークしたこの左腕が、後輩たちの練習の一助になればとの思い。しかし昨年3月にロサンゼルス・ドジャースのトライアウトを不合格となり、引退を決意した理由の一つだった左肩の痛みがまだ完治していなかったためにやむなく断念せざるをえなかった。グラブを持参して乗り込むなど本気だっただけに、残念そうだった。

 下柳 まだ肩が治っとらん。キャンプには投げられるぐらいになったらええな。

 それでも、その存在感だけで自主トレがグッと引き締まる。緊張感も生まれる。特に、同じ左投げの投手で、エースの能見には頑張ってほしい。高い要求を突きつけた。勝手に、最多勝という今季のノルマも設定した。

 下柳 開幕投手もやし“能見が投げたら勝つ”というピッチャーになってもらわんと。その自覚もあるやろうし、エースとしての自覚もある。(今季は35歳となるが)全然大丈夫。オレも37歳で最多勝を獲ったし、そのつもりでやってほしい。そうすれば優勝争いもできるからな。

 03年のリーグ優勝は、20勝して最多勝に輝いた井川が導いた。05年のリーグVは下柳氏が15勝(3敗)で史上最年長でタイトルを獲得している。今季、9年ぶり優勝には能見が初めてセ界のトップに立つことが一番の近道だ。

 下柳 今回はプライベート。ただ、阪神の後輩たちのことは気になるし、頑張ってほしいからね。

 自身も現役時代は、総合格闘家の桜庭和志と“格闘技トレ”を行うなど、1月の自主トレを重要視し、刺激を求めた。21年間の選手生活を支えたのは、誰よりも練習したためだ。この日は投げてあげることはかなわなかったが、4選手の心の四角のコーナーには確実に魂のストレートを決め込んでいた。 

 ≪6投手で8度最多勝≫2リーグ制以降、阪神では6投手が8度最多勝タイトルを獲得。このうち64年バッキー(29勝)、03年井川(20勝)、05年下柳(15勝)の3シーズンでリーグVを果たしている。左腕では前出の井川と下柳のほかに、江夏が68年(25勝)、73年(24勝)の2度獲得。両年とも優勝は巨人に譲ったが、シーズン2位と健闘している。

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