資格回復の江藤氏 慶応付属高の総監督に、甲子園へ「火がついてます」

[ 2014年1月21日 10:30 ]

高校野球の指導者になっての「夢」を掲げ、笑顔を見せる江藤・慶大総監督

 プロ野球経験者が研修を受けて高校、大学での指導資格を回復できるようになった新制度で、日本学生野球協会は20日、資格審査委員会を開いて最終手続きとなる適性審査を行い、元プロ208人の資格回復を認定した。昨年7月に施行された制度での第1号で、野球部の監督などに採用されれば現場での指導が可能になる。新制度で資格を回復した前慶大監督の江藤省三氏(71)は慶応付属高校を指導する総監督に就任し、甲子園に導く夢を口にした。

 プロとアマが断絶する契機となった柳川事件から53年。徐々に歩み寄ってきた双方の壁は、完全になくなったと言える。この日、元プロ野球選手208人が学生野球を指導する資格回復を認められた。野球界の底上げ、レベルアップにつながる元プロによる学生指導への道が一気に開かれた。

 大学や付属高校を統括する慶応義塾体育会野球部総監督に就任した江藤省三氏は、「元プロ選手が学生にいろいろなことを教えることはプラスになる。幸せですね」と喜びを語った。昨年まで慶大の指揮を執っていた江藤氏は中日で現役を引退後、巨人など3球団でコーチを務めた。メジャーリーグのドジャースにコーチ留学した経験もあり、今後は高校野球という新たな分野での指導が可能になった。付属高校には慶応湘南藤沢(神奈川)、慶応志木(埼玉)と甲子園に出場経験のない2校があり「甲子園は夢のまた夢と思っている学生を連れて行けたら最高でしょう。それをやってみたい。火が付いていますよ」と意欲を見せた。

 プロアマの雪解けは昨年、一気に加速した。これまでは中学、高校などで教諭歴2年が必要だったが、双方の歩み寄りで研修制度がスタート。断絶の歴史や学生野球憲章の説明など合わせて3日間の座学を経て、資格回復する仕組みとなった。江藤氏は「研修は勉強になった。例えば学生が苦痛を伴うと感じれば、正座も体罰になるとかね」と振り返る。教員免許を持たなくても、教育者として指導する重要性を再認識させられたという。

 今後は元プロの指導者が増えることになる。江藤氏は学生を指導する上でのモットーに「教学半(きょうがくはん)」を掲げてきた。教える側も学ぶことがあるとの意味だ。新制度の成功は今後もプロアマが相互理解できるかにかかっている。

 ◆江藤 省三(えとう・しょうぞう)1942 年(昭17)4月29日、熊本県生まれの71歳。熊本商から中京商(現中京大中京)に転校。慶大では3年春から4季連続ベストナインに選出。65年ドラフト3位で巨人入り。69年に中日に移籍し76年に引退。通算成績は464試合で打率.267、12本塁打、65打点。巨人、ロッテ、横浜でコーチを歴任し09年12月から慶大監督に就任。10年春のリーグ戦で優勝に導いた。13年限りで退任し現在は慶応義塾体育会野球部総監督。

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