内海 めっちゃ緊張3勝「やばかった。ガチガチでした」

[ 2013年5月6日 06:00 ]

<巨・広>勝利投手の巨人・内海(右)は原監督と握手

セ・リーグ 巨人1-0広島

(5月5日 東京D)
 やっと落ち着きはじめたところでまた、胸の鼓動が高まった。4回攻撃後。マウンドに向かう巨人・内海がセンターの大型スクリーンを見上げると、スイートルームで観戦する長嶋氏、松井氏、安倍首相の姿が映し出された。「めっちゃ緊張しました」。直後の5回。3者凡退に斬ると、ベンチで大きく息を吐いていた。

 「きょうは負けられない戦いだった。いままでで一番緊張した。やばかった。ガチガチでした」

 特別な一戦。「いけるところまでと思った」と飛ばした。8回を終え107球。まだ余力もあった。だが、1―0の展開。原監督から「攻撃に転じよう」と言われ、その裏先頭の打席で代打を送られた。完封こそ逃したものの、国民的試合で8回4安打無失点。エースの投球を披露し、チームの連勝を5に伸ばした。

 松井氏とは初対面。ブルペンへあいさつに訪れた際には「握手してもらおうと思って」と追いかけたが、わずかの差ですれ違い。それでも試合前のミーティングで堂々と訓示を述べる姿に「オーラがハンパない」と身震い。背筋が伸びた。

 巨人の選手会長は松井氏の後、高橋由、二岡(現日本ハム)、阿部が引き継ぎ、10年から内海が務めている。チームリーダーとして、誰よりも早くグラウンドに現れ、汗を流す。その姿を見習い、菅野や宮国ら、若手投手陣もアーリーワークを行う。「自分も(先輩に)いろいろなことを教えてもらってきた。できる限りのことを伝えたい」。巨人の良き伝統を、後輩たちに伝えている。

 昨年の宮崎春季キャンプでは長嶋氏に声を掛けられた。「子供がいることまで知っていてくれた。感動しました」。この日は感謝の思いもボールに乗せた。2人の偉業に花を添え、昨年7月から続く自らの連勝を11に伸ばした。重圧を乗り越えた3勝目。「本当にうれしい。自信になる。勝ち進んで圧勝でリーグ優勝したい」。その力強い言葉には巨人を背負う自覚が感じられた。

 ▼巨人・原監督(内海について)硬いな、というスタートの中で逆に力として出たのはナイスピッチングでした。

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