雄平 藤浪に洗礼弾!最速151キロ元怪物が打者転向後1号

[ 2013年4月1日 06:00 ]

<ヤ・神>6回2死、雄平は藤浪から右越えソロを放つ

セ・リーグ ヤクルト2―0阪神

(3月31日 神宮)
 怪物にプロの洗礼を浴びせたのは、「元怪物」だった。1点リードの6回2死。ヤクルト・雄平は1ストライクから真ん中に入ったフォークをライナーで右翼席に叩き込んだ。

 「藤浪に負けられないと思っていました」。そう言った後、登録名が「高井」だった新人時代を思い出した。「僕が投手デビューした時も、相手もそう思っていたんだろうなと思いました」

 東北高時代は最速151キロ左腕として、高校No・1投手と言われた。02年にドラフト1巡目でヤクルト入団。高校通算37本塁打で打者としても高く評価されたが、投手として育てられた。通算18勝(19敗)1セーブ。だが制球難を克服できずに10年から打者に転向した。投手時代の05年にプロ1号を放って以来8年ぶり、打者転向後は記念すべき初アーチ。それも黄金ルーキーから打った。

 「甘い球を待っていた。スライダーとかも高卒1年目とは思えない。厳しい球を打っちゃダメだと思いました」。3回2死一、二塁。内角直球に中途半端に手を出し、空振り三振を喫した。「ストライクをファウルにしようと思った」という。だが佐々木球審に確認すると「ボールだったよ」と言われた。ストライクゾーンを見極められていないことに動揺したが、そのことでさらに好球必打の意識は強まった。

 3試合目で初スタメン。昨季は打率・280もレギュラーの確約はない。昨季までバットを立てていたが、今季からはスムーズなスイングを目指してほぼ真横に寝かした。出場機会を得るために工夫を重ねている。今季から3時間半ルールが撤廃。長い延長戦を戦うことを想定した小川監督は雄平の投手との二刀流を示唆していた。だが、この一発で「非常事態になったらあるかもしれないけど、今はその考えはないな」と言った。打者専念。そう思わせるアーチだった。

 ▽雄平の前回本塁打 プロ3年目の05年で4月3日阪神戦(大阪ドーム)に先発。3回の第1打席、能見のスライダーをバックスクリーンに運ぶソロ本塁打を放った。投げても3回まで無失点に抑えながら、4回に乱調。スペンサーにソロを被弾し、赤星、藤本にも連続適時打を許して3回1/3を8安打6失点で降板。プロ1号を記録したが、ふがいない投球に「全てが空回りした」と肩を落とした。

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