浦学 21年ぶり4強!小島 内角突き7回1安打0封

[ 2013年4月1日 06:00 ]

<浦和学院・北照>7回1死、浦和学院・小島は吉田の打球を叩き落とす

第85回センバツ高校野球大会第10日準々決勝 浦和学院10―0北照

(3月31日 甲子園)
 準々決勝2試合が行われた。第2試合は3季連続出場の浦和学院(埼玉)が北照(北海道)を10―0で下し、92年以来21年ぶりの4強入りを決めた。先発のエース左腕・小島和哉投手(2年)は7回1安打無失点。今大会は3試合24回を投げ1失点と抜群の安定感を誇っている。

 右翼のポジションから、あどけない笑顔で試合後の整列に加わった。先発の小島が三塁も踏ませず7回1安打無失点。お立ち台では「一球一球思いを込めて投げた。出来過ぎなくらい良かった」とはにかんだ。

 「困ったときは外角低め」が投手の基本だが、小島は「分かっていても内角直球」がモットー。球の切れを生かし、打者を詰まらせた方が大ケガしないという理由からだ。2試合で24安打13得点を挙げた北照にも、信念を貫いた。初回に3番・吉田を詰まらせて二ゴロに仕留めるなど、全9球が内角直球で3者凡退。北照打線は、内角を投げにくくするために、バッターボックスのベース寄りに覆いかぶさるように構えてきたが「投げる時はキャッチャーミットを目がけて投げているので、内側に立たれても気にしなかった」。81球の全投球の約6割にあたる47球が内角への直球。攻撃的な投球で7回を打者22人で料理した。

 赤見台中2年の春、上尾(埼玉)でプレーしていた兄・雅浩さんの試合を観戦した。対戦相手は浦和学院。上尾を圧倒する姿を見て進学を決めた。「小さい頃から強いチームでやりたかった。浦和学院でやれて幸せです」。球速は130キロ前後ながら、今大会は3試合24回を投げわずかに1失点。その左腕で森士(おさむ)監督が就任した直後の92年春以来、21年ぶりの春4強に導いた。指揮官は「制球よく、内角にしっかりと投げられていた。いつもの投球パターン」と称えた。

 2日に初の決勝進出を懸けて、敦賀気比と激突する。4試合で43安打28得点と猛打を誇るが「内角をどんどん攻めていく」と強気だ。憧れだった「浦学」で野球ができる喜びを全身で感じながら、2年生エースは初優勝を見据えている。

 ◆小島 和哉(おじま・かずや)1996年(平8)7月7日、埼玉県生まれの16歳。小2から野球を始め、赤見台中では行田シニアに所属して2、3年時に関東大会出場。浦和学院では1年春からベンチ入りし、昨夏には甲子園で登板した。1メートル75、72キロ。左投げ左打ち。

 ≪対北海道勢は4戦4勝≫浦和学院が北照を下し4強入り。甲子園で埼玉県勢と北海道勢が対戦するのは春夏合わせて4度目で、すべて埼玉県勢の勝利となった。

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2013年4月1日のニュース