バリントン快投3連勝!広島 同率首位に浮上

[ 2011年4月30日 06:00 ]

<中・広>2安打完封勝利しファンの声援に応えるバリントン

セ・リーグ 広島7-0中日

(4月29日 ナゴヤD)
 マウンドにできた歓喜の輪の中で、広島の1メートル93の長身右腕は充実の表情を浮かべた。「序盤からミスのない投球ができた。私の仕事はチームに勝ちを付けること」。わずか2安打で来日初完封。開幕3戦3勝は広島の外国人投手では96年チェコ以来2人目で、入団1年目となると初だ。チームはヤクルトと同率首位に浮上。その原動力は、間違いなくバリントンだった。

 大記録を予感させる快投を見せた。初回から最速144キロの直球、スライダー、カーブを徹底的に低めに集め、丁寧にアウトを重ねる。「スコアボードを見たら無安打だったし、意識しないことはなかった」。ノーヒットノーランの快挙へ、敵地がざわつき始めた8回、先頭の和田に左前打を許した。それでも表情は少しも変えず、集中力も途切れなかった。中日打線に二塁を踏ませることなく110球、8奪三振で9回を投げ抜いた。

 02年。大リーグのドラフトで全体1位指名を受けた男の、新天地に懸ける思いは強い。「今は自分が日本人だと思ってプレーしている」。グラウンド内外で積極的に日本文化を吸収し、広島名物のお好み焼きも「いろんなトッピングがあって面白いね」とお気に入り。ヒーローインタビューでは「アリガトウやダイジョウブ。(日本語を)もう10フレーズくらい覚えた。私の娘の方がよくしゃべるけど、街で何があっても大丈夫さ」と笑顔で胸を張った。異国でのプレーを心から楽しむ。それが活躍の秘けつだ。

 6連敗中だったナゴヤドームで胸のすくような快投。野村監督も「見事な投球。きょうは本当に最高の試合だった」と絶賛した。首位タイに加え、3連勝で04年以来となる貯金5。前田健、篠田、そしてバリントン。赤ヘル投手陣の誇る、3本の矢は簡単には折れない。

 ◆ブライアン・バリントン 1980年9月30日、米インディアナ州生まれの30歳。ポール州立大から02年ドラフト全体1位指名でパイレーツ入団。インディアンス、ブルージェイズを経て、昨年ロイヤルズでメジャー初勝利。メジャー通算成績は26試合で1勝4敗、防御率6・12。昨季3Aオマハでは20試合で8勝2敗、2・82の好成績を収め、同チーム内の最優秀投手。1メートル93、95キロ。右投げ右打ち。

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