旧広島市民球場 解体差し止めの請求棄却

[ 2011年3月25日 11:01 ]

 旧広島市民球場(広島市中区)の保存を求める住民グループが、広島市に取り壊し工事の差し止めを求めた訴訟の判決で、広島地裁は25日、請求を棄却した。

 野々上友之裁判長は、判決理由で「戦後10年以上経過して建てられた球場は、必ずしも広島の戦後復興や被爆と関連づけられない」と述べ、解体で憲法13条の幸福追求権が侵害される、との原告側の主張を退けた。

 判決後、原告の土屋時子さん(62)は「球場の歴史の重みを考慮しておらず、腹立たしい」と話した。

 球場は1957年に原爆ドームのそばに完成。昨年11月に始まった解体は、3~4割が終了した。跡地について市はこれまで、外野スタンドの一部を「メモリアル」として残した上で年内にも解体を終わらせ、跡地に緑地広場などを整備する計画を示していた。

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2011年3月25日のニュース