イチロー“オール直球勝負”にノーヒット

[ 2009年9月10日 06:00 ]

エンゼルス戦の10回に二ゴロに倒れ、この試合無安打に終わったイチロー

 【マリナーズ2―3エンゼルス】マリナーズのイチロー外野手(35)が8日(日本時間9日)、エンゼルス戦で今季2度目の5打数無安打。9年連続200安打の大リーグ新記録には、残り5本のまま足踏みとなった。連続試合安打は7で止まり、左ふくらはぎの張りから復帰以来、初の音なし。エ軍投手陣による、オール直球勝負という“セオリー無視”のイチロー対策の前に小休止した。

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 変化球が来ない。先発のカズミアーはイチローに、93マイル(約150キロ)前後の直球を内外角ギリギリに集めた。ワカマツ監督は「あれがカズミアーという投手。イチローは普段、左投手を苦にしないが、彼は苦しめていた」と相手を褒めた。レイズで昨季まで4年連続2ケタ勝利。先月末にエ軍に加入した左腕はスライダー、チェンジアップも得意球だが封印した。
 2番手ジェプセンもすべて直球、5番手パーマーも全7球がカット気味の直球と徹底した。前回対戦した今月2日もエ軍はカズミアーを筆頭に全球直球攻め。この時はイチローは2本の内野安打を記録したが、いずれも打ち取られた当たりだった。以前、逆に変化球主体の配球を見せたロイヤルズのマクルア投手コーチは「イチローには大胆な戦略を取らないと抑えられない」と話した。エ軍は体勢を崩しても巧みに芯に当てられる変化球を嫌い、フルスイングを誘う分だけミスショットの確率が増す直球を選択した。
 とはいえ、昨年8月から2試合連続無安打がない背番号51にとって、この作戦が続けて成功するとは考えにくい。これまで30人程度だった日本人メディアは、この試合から約60人へ倍増。しかし本人は「空気は変わるよね」と言いながらも「どうかな。別に新しいことはないですよ」と余裕の表情だ。今季のペースによる9年連続200安打の“Xデー”は、11日エ軍戦から12日レンジャーズ戦に延びた。(浮田圭一郎通信員)

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2009年9月10日のニュース