「3本柱」へ…永井5安打完投で10勝目

[ 2009年9月10日 06:00 ]

<オ・楽>10勝目を挙げファンに手を振る永井

 【楽天5―2オリックス】大台をつかんだ楽天・永井は素直に笑みを浮かべた。「正直言ってうれしい。岩隈さんと田中に続いてチームに勝ちを持ってこられるように。でもまだ通過点です」。プロ3年目で初の2ケタ勝利。楽天創設5年目にして、2大エースに続く3人目の10勝投手が誕生した。

 「直球が良くなかったけど、その分変化球が良かった。コンビネーションで、とにかく低め、低めを狙った」。直球に早々と見切りをつけ、多彩な変化球を織り交ぜた。140球のうち、直球は半分以下の55球。カーブ28球、スライダー25球、フォーク25球とバランス良くちりばめ、目線を狂わせ狙い球を絞らせない。5安打完投勝利。7回以降はパーフェクトに抑えるなど、完全に術中に陥れた。
 この投球内容こそ進化の真骨頂だった。「1つの球種が悪くても、別の球種で補える技術が身に付いた」と永井。入団時から見守る杉山投手コーチは「最初はフォークがいいが、他はまだまだという投手だった」と当時を振り返る。今年はカーブを増やし、夏場から新球シュートにも挑戦中でこの日も織り交ぜた。
 開幕からただ1人、先発ローテーションを守り続け、球団史上最速の60勝到達に導いた。「第3の先発がいない」と嘆き続けてきた野村監督も「まあ、2本半柱やな。まだまだ壁は厚いよ」と控えめながら成長を認めた。西武も勝ち、球団初のCS進出マジック点灯はまたも持ち越されたが、永井が「真の3本柱」と呼ばれる日も近い。

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2009年9月10日のニュース