菊池メジャー行く!15日にも正式表明

[ 2009年9月10日 06:00 ]

東京へ向かう特急電車の中で報道陣に対応する佐々木洋監督

 155キロ左腕、花巻東・菊池雄星投手(18)の注目の進路について、同校の佐々木洋監督(34)が9日、メジャー行きを“容認”した。日米親善高校野球大会で遠征していた米国から成田空港着の航空機で帰国。15日に話し合いの機会を持つことを明言した上で、メジャー志向が強い本人の意思を尊重する考えを明かした。早ければ同日中に菊池が、メジャー挑戦を正式表明する。

 8日間の米国遠征を終え、成田空港に降り立った佐々木監督が注目の菊池の進路について口を開いた。「一番成長するところに出してあげる、そして彼を納得させてあげるようにするのが私の仕事」。菊池が「できるだけ早く話したい」と帰国を心持ちにしていた指揮官は、本人の意思を尊重する考えを明らかにした。それはメジャー容認とも取れる発言だった。
 夏の甲子園大会を終えた時点では将来的なメジャー希望を口にしていただけ。だが、佐々木監督が高校日本選抜のコーチとしてチームを離れた8月27日以降、18歳の心は急速にメジャーに傾いた。7日に「メジャー第1志望」を明かしたことは、遠征中の米国で同校野球部の松田コーチからメールで知らされた。「驚いた。甲子園後は国内球団と言っていたのに…。彼の心境の変化を直接確かめたい」と語った。
 同校は10日から15日まで試験期間で、新チームは来年センバツ出場がかかる秋季岩手大会(18日開幕)直前。菊池自身も国体(28日初戦)に向けて24日に新潟入りする。お互い多忙なため、佐々木監督は「14日にも本人と話したい」とし、さらに試験終了後の15日午後にも話し合いの時間を設ける予定だ。
 佐々木監督は今回の米国遠征でドジャース、エンゼルスの本拠地球場を視察。その環境の素晴らしさに触れてきた。「管理される日本の方が投手が育つと思うが、ゆっくりと選手を育てるところも米国のいいところ」。“成長”を一番に考える指揮官にとって、菊池の意向に反対する理由はない。10月上旬のメジャー観戦を望んでいることについても「彼が花巻東を選んだときもそうだった」と温かい目で後押しするつもりだ。
 「メジャーのいいところはある。でもただ行きたいだけでは済まされない。現実的な話もしたい」と佐々木監督。納得がいくまで話し合った上で、155キロ左腕がメジャー志望をあらためて表明する。

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2009年9月10日のニュース