イチロー爆笑締め「ごちそうさまでした」

[ 2009年3月26日 06:00 ]

笑顔のイチロー(左)と松坂大輔

 第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2連覇を成し遂げた日本代表が25日、成田着のチャーター機で凱旋。空港には約1200人のファンが駆けつけ、侍ジャパンを祝福した。ロサンゼルスを出発する前の会見では、韓国との決勝戦で勝ち越し打を放ったイチロー外野手(35)がここでも主役となり、チームの一体感を証明。その後、キャンプ地アリゾナ州へと向かった“真の侍”は、次はあと2本と迫った張本勲氏(68=本紙評論家)が持つ3085安打の日本記録更新を目指す。

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 侍戦士が帰国の途に就いた頃、イチローはプライベートジェットでロサンゼルスを旅立ち、マリナーズのキャンプ地アリゾナ州へと向かった。共に戦い、連覇を成し遂げた選手との別れ。しかし会見では湿っぽさはみじんもなかった。爆笑。グラウンド以外でも、主役はやはりこの男だった。
 「侍ジャパンというネーミングが、僕にとって大きなハードルになりました。“私アイドル”と言いながらかわいくないのは最悪で、侍が最終的に勝てなかったら、これはカッコつかない」。アイドルはかわいく、そして侍は強くあれ。イチローは自身の美学、万人のイメージに忠実であろうとした。そして連覇。その結果、得たのが“真の侍”としての称号だった。
 「優勝という形になって、最終的に侍になれたことを大変喜んでおります。ホッとしてます」
 決勝戦では勝ち越し打を含む4安打を放った。しかし東京ラウンドは14打数4安打。準決勝までの8試合で38打数8安打の打率・211と低空飛行が続いた。「個人的には最後まで足を引っ張り続けました。韓国のユニホームを着、キューバのユニホームも着、いろんなチームのユニホームを着ました」。しかしここでニヤッと笑って「最後にジャパンのユニホームを着て、おいしいとこだけいただきました。ホントに、ごちそうさまでした!」。前日の決勝打と同様、場の空気をすべてさらっていった。
 会見では「リーダー論」にも言及。「向上心」をキーワードに「これが集まったチームは強い。チームにはリーダーが必要だというような安易な発想があるようですけど、今回のチーム、全くそんなものは必要なかった」。それぞれの選手が向上心を持っていれば「(リーダーなど)そういった形は全くいらない。むしろ、ない方がいいくらい。僕は今回、そういう存在であるようなことを言われましたけれど、実際にそんなことは全くなかった」と語った。
 会見後、イチローは控室の出口に立ち、裏方さんも含めた全メンバーと握手、抱擁を繰り返した。侍として戦いは終わり、4月6日にはメジャー9年目のシーズンが始まる。張本氏の持つ日本記録3085安打へはあと「2」。世界一、そして今度は日本一。再び米国の地から熱狂と興奮を日本に送り届ける。

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2009年3月26日のニュース