彦根東 エースがけいれんで途中降板…

[ 2009年3月26日 18:01 ]

<彦根東―習志野>6回裏習志野2死一、三塁、高橋慧(右)の一塁内野安打で、痛めた足を引きずりベースカバーに走り倒れ込む金子投手

 【彦根東4-5習志野】1点をリードしていた6回だった。5回までわずか1安打に抑えていた彦根東のエース金子をアクシデントが襲った。けいれんする両脚。投球に力が入らない。左犠飛で同点とされて、なお二死一、三塁。一ゴロに打ち取ったはずだったが、一塁のベースカバーに駆けることができずに、勝ち越しを許した。

 脱水症状だった。「申し訳ない」とわびるエース。昨秋の公式戦をほぼ1人で投げ抜いた右腕が6回途中でマウンドから姿を消した。くじけそうになってもおかしくない状況。ここからが真骨頂だった。7回には河野の適時打で同点。8回には公式戦で出場機会がなかった野坂の適時打で追い付き、暴投で勝ち越す執念を見せた。
 粘りは及ばずに、最後はサヨナラで屈した。新谷直主将は「勝って、金子をもう1度、マウンドに上げたかった」と言葉に詰まった。今井監督は「金子のためにと、チームがまとまった。きずなが深まった。このチームはもっとやれる」と目を細めた。
 21世紀枠で出場した56年ぶりの甲子園に確かな足跡を残した。今度は真っ赤に染まった大応援団を夏の大舞台に連れてくるつもりだ。

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2009年3月26日のニュース