佑ちゃんにあこがれ早実へ 小野田が攻守に活躍

[ 2009年3月26日 17:09 ]

<天理―早実>先発し好投したる早実・小野田

 【早実4-3天理】鋭い打球が左翼線へ飛んだ。大観衆で埋まった早実アルプス席の目の前で大きく跳ねる。同点で迎えた9回一死二塁から、早実が劇的なサヨナラ勝ち。「走りながら入れ、入れ、と祈った。どんな球でも初球から振っていこうと思っていた」。殊勲打を放った小野田が声を弾ませた。

 ヒーローは先発の役割を果たせなかった。強力打線で優勝候補の天理に中盤に捕まった。自らの本塁打などで奪った3点は、6回までにすべて吐き出していた。7回からは右翼の守備に。勝利にはバットで貢献するしかなかった。
 早実が斎藤佑樹(現早大)を擁して、全国制覇したのは2006年夏のことだ。小野田は引き分け再試合となった決勝の死闘をテレビで食い入るように見ていたという。そして、斎藤のような投手にあこがれて、北海道・旭川から早実に入学した経緯がある。
 投手よりも打者としてスポットライトを浴びることになった背番号「1」は「本職は投手。次は投げる方で目立ちたい」と語気を強めた。対照的に経験豊富な和泉監督が興奮を抑えきれずに、顔を紅潮させた。「小野田は敬遠されるかと思っていた。よく打った。こういう勝ち方は初めて」。
 小野田はマウンドでも打席でも、何かをやってくれそうな雰囲気があるのは確かだ。あのときの斎藤と同じように。もしかしたら…。古豪の早実が今大会の主役に躍り出るかもしれない。

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2009年3月26日のニュース