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脇の流れに何気なく…梅雨空に毛バリ打ち込み唯一のヤマメ

[ 2017年7月4日 07:05 ]

ラインバランスを試しながら竿を出す
Photo By スポニチ

 【渓流釣れ釣れ記】5月に記録的に雨量が少ないまま梅雨に入ったが、梅雨入り後の雨量もはなはだ頼りない状況である。水況に左右される釣りだけに気に掛かるところである。埼玉県秩父山系を流れる中津川へ釣行した。(スポニチAPC綾部 丹堂)

 天候の安定しない梅雨の時季の遠征釣行計画は難しい。日並みを見計らっての近場への釣行ということになる。こんな時、都心から比較的近い秩父あたりは便利な釣り場である。しかし“釣り人銀座”の釣り場で、大きな釣果を期待することはできない。

 釣果を期待できない釣り場に出掛けるときは、まずは自然を満喫することにしている。

 秩父多摩甲斐国立公園の真っただ中、山深い秩父は渓を歩くだけでも価値のある場所だ。

 そしてもう一つ、日ごろの釣りで再確認しておきたいテーマを設けることにしている。

 今回はテンカラにおける竿とラインのバランスをもう一度見直してみたいと思った。使用しているラインは、海釣りの手釣りなどで使っているブレイデッドラインを段つなぎにしてテーパー感を出し、これにシリコンゴムをすり込んで重量調整と被膜の役割をさせる、自作を使っている。

 ラインの重量とテーパーバランスは非常に大事だと考えている。

ピンポイントの攻めを必要とするテンカラでは、毛バリをポイントまで正確に運ぶためのライン重量と、ポイントに着水した毛バリを、ラインの重さで引き戻さない程度の軽さが要求されるのである。

 飛ぶことを求めつつ、軽さも求められているのだ。そのためラインを飛ばす竿の性能が要求されるのである。

その性能とは、軽いラインを飛ばしてやるしなり、ソフトパワーと、ラインを長時間振り続けても疲労を感じさせない軽さ、操作性が必要だ。

 ラインにしても、竿にしても相反するものを求めなければならないので、そのため、双方の妥協点、バランスを取ることが非常に重要となる。

 いま使っているライン、竿共に、現時点で行き着いた結果であるが、100%満足しているわけではない。

 今回はラインに採用している、3段つなぎ、4段つなぎ構造をもう一度確認したいと思っていた。

 夕マズメの中津川の中流域、釣り人も多い場所だが、ここの流れに下り立った。テンカラを自在に振れる場所でもある。

 時々、ラインを交換し釣り上がるが、無風の好条件ではどちらのラインも快適である。やはり釣りたい、竿抜けになりそうな場所を丹念に攻めていく。

 まず竿を出すことのなさそうな脇の流れに、何げなく打ち込んだ毛バリに水面がはじけた。この日、唯一の貴重なヤマメである。

 3段つなぎのラインだった。しばらくは、3段つなぎを使っていくか、で、日が暮れた。

 ▼釣況 秩父漁協=(電)0494(22)0460。

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