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爽やかワサビの里で 東京イワナ宙に舞い シカ肉ツーンと堪能

金子さん東京イワナを見事にゲット
Photo By スポニチ

 【釣りの旅】ルアー&フライを楽しんで40年、取材も続けてきたのでアドレス帳はそのまま釣友名簿のよう。その中には筆者を「師匠」と呼んでくれる「弟子」もいる。東京都奥多摩町のワサビ漬け製造大手「山城屋」の金子敦社長(61)もその一人。「ワサビの買い付けに多摩川源流に行くから…」は当然、釣りの誘いである。 (スポニチAPC 若林茂)

 峰谷川は奥多摩湖北岸に流入する多摩川の小支流。ちょうど30年前だった。スポニチに経済面というのがあって「東京の隠れ特産品ワサビ」にスポットを当てるという企画で峰谷川沿いのワサビ田を訪れた。

 当時、東京のワサビ生産量は静岡、長野に次いで全国第3位、まだ若き金子専務が案内役だった。そのとき、釣りは初めてという金子さんに、いきなりルアーを教えたのだった。

 以来、多摩川上流部や日原川でよく遊び、腕を競い合ってもきた。この日はまず、峰谷川の最下流部に入渓しての足慣らし。ニジマス交じりでヤマメもヒット、他にバラシまくって大笑い。そして、ここからは“仕事”だ。弟子はワサビの買い付け、師匠は「釣りの旅」の取材。いよいよ“東京イワナ”が狙える最上流部へ。

 山城屋の仕入れ先は源流部に近い川村実さん(80)宅。今季のワサビの出来を吟味、商談もそこそこに目の前の渓流へ向かうが、これが大苦戦。川村さんの広大なワサビ田は屋敷ごとシカ防御ネットの中。好ポイント?を前にしたシカの気持ちがしみじみと…。

 渓相は抜群。やや渇水気味だがヤマザクラが咲き始め、川岸に自生する「こぼれワサビ」の白い花がすがすがしい。弟子はスプーン、師匠はミノーで、交互に先行しながら釣り上る。狙いは淵や落ち込みの白泡の下。流れに出ている小型ヤマメがツ、ツーッと岩陰へと走る。渓畔には無数のシカの足跡、そしてためフンも。奥多摩全域で過疎は進み、東京ワサビの生産量は島根県や山口県などの新興勢力に抜かれ、今や第8位だという。

 「やった!」は20メートルほど先行していた弟子。追いつくと「やって、しまった。大イワナをバラした」という。落差5メートルほどの滝を抱えた大きな淵。竿を置いてカメラを構え「もっと沈めて!」とうるさい師匠。次の瞬間だ。

 「ほーらネ」

 イワナが宙に舞った。22センチほど、まだサビを残すが、よく太った奥多摩イワナだった。

 昼食にはシカやイノシシなど「東京ジビエ」が食べられる「峰谷川渓流釣り場」(有料釣り場)に併設のバーベキューハウスを予定していたが、なんと「採算割れ」を理由に閉店中ときた。頭を抱える師匠に「お任せください」と弟子。青梅線御嶽(みたけ)駅近くの「手打ちそば・ごろう」の「せいろ」はそば自体の歯応えが、久々の感激もの。さらにサイドメニューが秀逸だった。「奥多摩産シカのロースト冷製」に奥多摩ワサビを乗せて食す。ああ、幸せ師弟。

 東京イワナを狙った近くて遠い釣り旅、最後もシカとワサビが締めくくったのだった。

 奥多摩駅から徒歩5分、多摩川を渡ったところにあるのが山城屋。本社・工場と直売所があって、この日も“いつものヤツ”を買う。「特選・数の子わさび」と「岩のり風味わさび」で、特に前者をたっぷり塗ったトーストが我が家の朝の“ちょっとぜいたく”になっている。

 ▼釣況 小河内漁協=(電)0428(86)2623。日釣り券1000円(現場売り1500円)。

[ 2017年4月24日 05:30 ]

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