×

“巨マスの巣窟”楽しめマス 67センチ筆頭に最小サイズ45センチ!!2人で15匹

[ 2024年2月4日 07:00 ]

平井さんが釣ったメスの67センチ
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】渓流解禁まであと1カ月を切りました。皆さんソワソワしていることでしょう。毎年解禁前にはたくさんの養殖魚が川に放たれ、餌釣りを中心とする釣り人にジャンジャン釣られて殺されていきます。持って10日間、通常は1週間以内に釣り切られます。自然との対話ではなく、放流魚を我先に釣って殺す文化がいまだに残っていることが悲しいと思うのは筆者だけではありますまい。それを何とかできないものかと冬季キャッチ&リリース(C&R)釣り場に足を運んでいます。

 「大物を釣ってみたい」と平井忠さんからガイドの依頼を受けたので、静岡県東部の鮎沢川を再び訪れました。川に下りるとサイズのいいニジマスが泳いでいました。まだ誰も触っていないので愛犬ヤマトの毛で巻いた「ヤマゲフライ」を試してもらうと何と1投目でヒット。しかし手がかじかんでいたからか、リールの扱いがうまくいかずバラしてしまいました。すぐ次が掛かるだろうという期待を裏切り、同じフライでは食いつかず、何個か交換していくうちに「ヤマカラバグ」という新作で45センチ級を2匹ゲットしました。

 それで勢いづくかと思ったら、その2匹で沈黙。日が昇ってきたので場所移動しました。浅瀬の方に魚が出てきて、何か活発に水中を流れるものを食べていました。中には60センチを超える大型もいました。今度は筆者がやってみると、小さい方がヒットしてしまいましたが、それでも48センチありました。そしてついにその大型が平井さんにヒット。リールを逆転させながらいいファイトをしてくれました。この魚は63センチでした。

 さらに1匹追加し、計5匹をこの淵尻で釣るとまたも沈黙しました。大きく場所移動し、冬季釣り場の最上流に行ってみると人だらけ。ここで漁協アドバイザーの杉山和己さんに会いました。当日にここで放流したので混んでいるのだそうです。杉山さんが知り合いの話として「あの瀬の中にデカいのがいるけど、ルアーだと全然反応しない。フライでやってみたら」と教えてくれたのでやってみると平井さんが2投目でヒット。67センチでした。うれしい大物です。午後3時には日が陰ってきて終了。2人で15匹ほど楽しめました。最小サイズで45センチというまさに“巨マスの巣窟”でした。

 それから吉報です。この春から冬季C&R区間も鬼アマゴが解禁になりますが、そのまま継続して周年C&Rルールになります。
 4年前、初めて鮎沢川を訪れたとき「ここの鬼アマゴは1回釣られただけで殺してしまうにはあまりにも惜しい」と杉山さんに伝えてから、組合長を紹介してもらって継続的に釣り人が来るようになるにはどうすればいいのかを話し合いました。そして今年の周年C&R区間設定です。何と迅速な対応でしょうか?殺されるための魚を川に放流し続けるのは疲れました。殺さないことを文化にする釣りを流行させないと、河川漁協の未来はありません。(東京海洋大学元客員教授)

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る