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「残酷な3月」も尾長メジナでご機嫌 1年で最も水温低い時季に40センチ超狙える 静岡県東伊豆・城ヶ崎

[ 2024年3月15日 04:30 ]

先端部右側
Photo By スポニチ

 【磯&堤防ガイド】毎年3月は水温低下で苦戦することが多いが、今春はなぜかメジナの魚影が濃い。静岡県東伊豆・城ケ崎の磯でも、40センチ級の尾長メジナがよく顔を出した。(スポニチAPC・恩田 誠)

 3月といえば一年で最も水温が低く、魚の活性も低下する。英国の詩人T・S・エリオット風に言えば「3月は最も残酷な月」である。ただ、実際には彼の詩では4月だが。海水温は地上の気温と比較して1、2カ月遅れで推移するため、この時季が最低となる。しかし、今季は16度台をキープしているので魚の活性は高く、早くもやや高水温を好む尾長メジナがよく顔を見せてくれる。それも、地磯でも40センチ級が姿を見せるのだ。

 釣友である横浜市の鈴木靖明さん(63=会社員)が前の週に43センチの尾長を仕留め、次の週も出かけるというので同行した。

 場所は城ケ崎の「陸平根(おかひらね)」で、鈴木さんが最も好んでいる釣り場だ。理由は簡単で、駐車場から近い割には釣り人が少なく、それでいて実績が安定しているからだ。前週に43センチをゲットしたのもこの釣り場である。

 城ケ崎には名だたる釣り場が数多くあるが、大半は駐車場から遠く、中にはロープを伝って下りなければならない場所すらある。その点、陸平根は徒歩10分以内で、かつ険しい道もない。

 その名の通り磯は比較的平らだが、海面までは8~10メートルほどあるのがここの難点。それゆえ、ウキフカセ釣りに適した釣り座は限られ図のように4カ所しかない。それゆえ、潮通しの良い先端部の2カ所は大抵、目覚めの早い人が占拠している。鈴木さんの得意とする場所は付け根側の2カ所で、風向きによってどちらかを決定する。

 この日は北東の強風が吹きつけていたので、釣り座は迷わず南側を選択。もっとも、風が回り込んできて糸フケが大きくできるため、狙った場所に仕掛けを流すことに苦労した。沖には沈み根が磯に並行して走っているので、その際が格好のポイントなのだが、道糸が横風に取られるため仕掛けは安定しないし、付け餌とコマセとの同調も困難極まりなかった。

 そのため狙いを磯際に定め、なるべく道糸を出さないように心がけた。その結果、良型メジナをゲットすることができたのだった。ただ、磯際はやや浅く、根も複雑に入り組んでいることから大型らしい魚が掛かるとハリス切れを何度も起こした。

 午後からは風が収まったので、鈴木さんは北側のワンドに移動した。こちらは数こそ少ないものの、より大型が潜んでいるからだ。実際、かなりの大型を掛けたが、手前の浅瀬に入られて痛恨のハリス切れとなった。

 メジナ釣りはこれからが本番となる。機会を見て出かけ、今度こそ40センチアップの尾長を仕留めたい。

 ▼釣況 伊東市八幡野・青木釣具店=(電)0557(53)0843。交通は国道135号を伊東から下田方向に進み、城ケ崎交差点を左折し、1キロ先にある交差点を右折。突き当たりを左折し、すぐに右側の道に進むと有料駐車場(1日700円)に出る。磯へはトイレ脇にある階段を下り、すぐ右手にある階段をさらに下って道なりに進むと、磯の付け根付近に出る。

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