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寒さ吹き飛ぶ 銀ピカ42センチニジマス 観察力で沈黙破った

[ 2024年3月31日 14:00 ]

湖ベテランの吉冨さん(中央)をはじめ、投げまくったがヒットはほとんどなし。先日、鮎沢川で連発した平井忠さん(右端)もノーバイト
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 【奥山文弥の釣遊録】1日の解禁後も渋い状況が続いているという情報が入っている神奈川県箱根・芦ノ湖へ出かけました。湖のエキスパート・吉冨健志さんによるフライフィッシングセミナーです。ワカサギの接岸が始まり、放流魚だけでなく年越しの野生化魚が現れる時季です。昨年、一昨年と筆者たちは大物をゲットすることに成功しました。

 23日、爆風予報だったので明るくなってから釣りをしやすい場所を探そうと、午前6時に集合した筆者たちはまず南側の白浜から釣りを開始。ここは風裏になり、フライは振りやすい状況でしたが気温は低く、雨が降らないことを祈るばかり。

 戦術はツーハンドロッドを使いインターミディエイトのアトランティックサーモンシューティングヘッドにリーダーは9フィート2X。フロロのVハード1号を1メートル接続して水深3メートル以内ぐらいの底近くをトレースします。フライはいつもの愛犬ヤマトの毛で巻いた「ヤマゲフライ」です。7時から3時間ほど釣り続けましたが、5人で当たりなし。誰かに一発でも来るだろうと予想していたのですが、大外れ。

 風が緩んできたので移動を決意し、湖尻の人気ポイント・七里ケ浜へ。激戦区ゆえいつもは満車の駐車場が、珍しくいくつも空いていました。釣れないからほとんどの人が諦めて帰ったのでしょうか?湖畔に下りると案の定場所はガラ空きです。ここでも最初の場所は当たりがなく、ランチ後、浜の中を移動しました。戦略を変更しても効果はありませんでした。雨はどんどん強くなり、釣り意欲よりも寒さが身に染みて皆の心が折れそうになった時でした。

 ドボンと大きな水の音が響き、振り返ると下畑剣一郎さんのロッドが曲がっています。本日初のヒットです。彼は手繰って足元にあるラインを素早く巻き取り、リールファイトの体勢を取りました。さすがです。魚が走ったらリールから手を離しラインを送り出します。時折見せるジャンプも美しく、ラバーネットに収まったのは銀ピカのニジマス42センチ。今年の放流魚にしては、コンディションがいい魚体でした。ボトムラインで釣ったの?という問いに彼は、ライズしたのでヤマゲフライをキャストし、早引きでヒットしたと答えました。そういう観察力も釣果につながりますね。

 この魚に一同が奮起し、さまざまな釣り方でキャストを繰り返しましたが、甘くありませんでした。午後3時半には寒さに耐えられず終了。帰路、毎週通っている常連に会いましたが「朝4時45分から投げまくってヒットなし」だそうです。どうしたのでしょう?今春の芦ノ湖。

 翌日、ボート2隻で4人が釣りをしましたが当たりもなし。同じボート店から出船した人たちの中で、放流小型魚を餌で狙った人以外は全員ノーフィッシュでした。この後のワカサギ接岸に期待しましょう。 (東京海洋大学元客員教授)

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